ビタミンB群の一種である葉酸はDNAやRNAの合成に関わり、生命維持に欠かせない栄養素の一つとして知られています。葉酸は妊娠中に積極的な摂取が推奨されていますが、いつまで摂取し続けて良いのでしょう。今回は葉酸サプリの摂取時期と、妊娠後期における葉酸の役割について解説します。

妊娠の時期と葉酸サプリの推奨摂取量の推移

核酸の合成に関わり、細胞分裂を促進する、赤血球の生成を助けるなどの働きがある葉酸は、妊娠中に積極的に摂りたい栄養素として知られています。厚生労働省では2000年から妊活中からの積極的な葉酸の摂取を推奨しており、食品からの摂取に追加してサプリメントや強化食品などからの付加的な摂取をすすめています。厚生労働省によるサプリメント等からの付加的な葉酸の目安摂取量は以下の通りです。

【妊娠の時期と葉酸サプリの推奨摂取量】
◆妊娠計画時期:1日400μg
◆妊娠超初期:1日400μg
◆妊娠初期:1日400μg
◆妊娠中期:1日240μg
◆妊娠後期:1日240μg
◆授乳期:1日100μg

妊娠後期における葉酸の役割

妊娠に関わる葉酸は妊娠前から妊娠初期にかけての期間に摂取すべきものというイメージがありますが、妊娠中期から授乳期にかけて摂取することで様々な効果が期待できます。妊娠後期における葉酸の役割は、以下の通りです。

(1)悪性貧血の予防
葉酸はビタミンB12と赤血球が作られるのを助ける働きがあります。赤血球が正常に生成されないことで発症することがある悪性貧血の巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)を予防することができます。

(2)免疫機能や消化管機能の向上
葉酸には細胞分裂を促進する作用があります。葉酸を積極的に摂ることで免疫機能や消化機能を向上させ、口内炎や舌炎、胃潰瘍などを予防することができます。

葉酸サプリはいつまで飲んで構わないの?

葉酸サプリは妊娠期間中かどうかに関わらず飲んで構わないものであるため、摂取可能な期間について、いつまでという決まりはありません。妊娠後期に過剰摂取すると胎児の小児喘息の発症リスクが高まるという研究結果もありますが、これに異を唱える研究者もいるため、関連性を指摘するに留まっています。先ほどご説明した推奨摂取量を目安にしていれば問題ないでしょう。

しかし、行き過ぎた過剰摂取はこのリスクを完全に否定できないだけでなく、過敏症などの症状を引き起こすため注意が必要です。20代女性の場合は1日当たり900μg、30代女性の場合は1日当たり1,000μgを超えて摂取しないようにしましょう。