妊娠や出産によって変化した身体は出産後、ゆっくり回復していきます。この間に出血することがあります。出血にはさまざまな理由があり、中には病気によるものもあるため注意が必要です。今回は出産後の出血の原因についてご紹介します。

出産後すぐに起こる悪露

出産後、子宮からは出産時に出た血の残りや、胎児の卵膜、剥がれ落ちた子宮内膜などが出続けます。これを悪露(おろ)といいます。悪露は、出産直後は鮮血で量も多めですが、時間が経つごとに変化し、1カ月を過ぎるころには出なくなることがほとんどです。

◆産後3日…2〜3時間で生理2日目くらいの量の鮮血
◆産後7日…暗い赤色で量は生理程度にまで減る
◆産後3週間…褐色に変化しさらに量が減る
◆産後4週間以降…白色〜透明の分泌液

出産後に発生する可能性がある不正出血

生理以外に起こる膣や子宮からの出血はすべて不正出血に含まれます。不正出血というと鮮血が大量に出るイメージがありますが、おりものに少量混ざって出る場合もあるため、見落とさないよう注意が必要です。

不正出血は以下の2つに分けることができます。

(1) 機能性出血…ホルモン分泌の異常などにより起こる不正出血

(2) 器質性出血…子宮や卵巣、膣などに何らかの異常が生じることにより起こる不正出血

不正出血を伴うさまざまな病気

出産直後は身体が妊娠前の状態に戻ろうとする大切な時期です。しかしこの時期に不正出血が発生するリスクも高く、その例として以下のようなものが挙げられます。

(1)子宮収縮にかかわる不正出血
◆弛緩出血
産後、収縮するはずの子宮が十分に収縮せず、胎盤が剥がれ落ちた部分にある血管がふさがらないことで出血する状態を弛緩出血(しかんしゅっけつ)といいます。そのままにしておくと大量出血によるショック死のリスクが高まるため注意が必要です。

◆子宮復古不全
何らかの原因で子宮収縮がうまくいかず、子宮が正常な大きさや硬さに戻らない状態を子宮復古不全(しきゅうふっこふぜん)といいます。子宮復古不全には2週間以上鮮血が出続けるという特徴があるほか、細菌感染のリスクも高く、感染していると悪臭、発熱や子宮の痛みなどの症状が現れることがあります。

(2)子宮に残った胎盤が原因で起きる不正出血
◆胎盤遺残
子宮内に排出されるはずの胎盤が残ってしまう病気のことを胎盤遺残(たいばんいざん)といいます。突然起こる出血や塊上の悪露といった特徴があり、そのままにしておくと大量出血によるショック死の可能性が高まります。

◆胎盤ポリープ
胎盤などの妊娠によってできた組織の一部が子宮内に残ってしまい、ここに大変小さな血管が伸びることでポリープができたものを胎盤ポリープといいます。放っておくと血管が大量に伸び、大量出血によるショック死を引き起こしてしまう可能性もあります。

生理の可能性も否定できない

出産後、一定期間は再開しないといわれている生理ですが、これには個人差があるため不正出血だと思っていた出血が実は生理だったという可能性も否定できません。不正出血と生理との見極めは非常に難しいため、身体に異常があった場合はかかりつけの医師に相談することをおすすめします。