妊娠、出産によって変化した子宮や骨盤は産後1カ月で急速に元の状態に戻ろうとします。そのため、産後1カ月までの間は後陣痛などさまざまな症状が現れます。今回は産後1カ月で起こる身体の変化と、それに伴って現れる症状についてご紹介します。

産後1カ月で身体は目まぐるしく変化している

出産直後は妊娠や出産によって変化した身体が急激に妊娠前の状態に戻ろうとします。この時期の主な身体の変化は以下の通りです。

(1)子宮
もともと卵程度のサイズしかなかった子宮は赤ちゃんの成長とともに大きくなり、臨月では胃の高さまで膨らみます。子宮は出産を終え、胎盤が外に出ることで勢いよく収縮し、元のサイズに戻ろうとします。これにより、胎盤が剥がれた際に生じる出血を止めることができます。子宮の収縮が終わるまでには約6週間かかります。

(2)骨盤
骨盤は赤ちゃんの成長に伴って開いていきます。産後は元の位置に戻ろうとしますが、緩みを生じることが多く、さらに身体を動かすことで歪んでいきます。そのため、出産直後から骨盤矯正ができる骨盤ベルトを着用するママが多いです。

産後1カ月までに現れる症状

産後1カ月は以下のようなさまざまな症状が現れる可能性があります。

(1)悪露
出産時に剥がれた子宮内膜のかけらや卵膜、産道から出た分泌物が混ざって出てくる出血が悪露です。出産直後は鮮血が出て、量も多めですが少しずつ色は茶褐色に変化し、量は減ります。産後約2週間で淡い黄色っぽい粘性の液体に変化し、産後1カ月で消失します。

(2)貧血
出産による急激な血圧の変化や、体内の血液量の変化により、貧血気味になることがあります。急に姿勢を変えたり、歩いたりすると立ちくらみが生じる場合があるため注意が必要です。

(3)後陣痛
子宮の収縮によって生じる強い痛みを後陣痛といいます。痛みの程度には個人差がありますが、初産婦に比べ、経産婦の方が子宮の戻りが早い傾向にあるため、経産婦の方が強い痛みを伴う可能性が高いようです。また、母乳育児をしている場合もホルモンの分泌が活発になるため、子宮収縮が早まり、後陣痛が起こりやすいです。

(4)尿漏れ
産後は大きくなった子宮による膀胱の圧迫や骨盤周りの筋肉の緩みなどが原因で尿漏れしやすくなります。産後の尿漏れは腹圧性失禁の場合が多く、お腹に力が入った際に生じやすい特徴があります。

産後1カ月後付近で起こるマタニティブルーと産後うつ

ホルモンバランスの乱れが主な原因となって起こる心の変化としてマタニティブルーと産後うつがあります。

(1)マタニティブルー
産後1週間前後から1週間程度起こる生理現象です。産後、急激に変化するホルモンや出産を終えた安心感によって起こる気分の落ち込みです。入院中に発症することが多く、ほとんどの場合、1週間程度の短期間で自然に治ります。

(2)産後うつ
産後1カ月を過ぎたあたりから発症し、治るまでに数週間〜1年以上の期間がかかる場合もあります。8人に1人の割合で発症するようです。主な症状に気分の落ち込み、身体のだるさ、自責、子どもをかわいいと思えないなどがあります。産後うつはその名の通り、うつ病のため、病院での治療やカウンセリングが必要です。

産後1カ月は身体だけでなく、精神的な面でも体調を崩す場合があります。少しでも身体に異変を感じた場合は、かかりつけの医師に相談しましょう。