人に子どもを預けた時や外出時にも母乳を与えたい場合は、保存しておくことを推奨します。室内や冷蔵、冷凍など様々な保存方法がありますが、それぞれ保存期間の目安が異なります。今回は、母乳の適切な保存方法と解凍方法について解説します。

母乳の適切な保存方法

搾りたての母乳は次のような方法で保存できます。

(1)室温保存
室温が25℃以下であれば、約4時間の保存が可能だといわれています。ただし、NICU(新生児特定集中治療室)に入院中の低出生体重児には、搾乳後1時間以内の新鮮な母乳を与えなければなりません。

(2)クーラーボックスでの保存
15℃のクーラーボックスでは24時間まで保存可能だといわれています。NICU入院中の低出生体重児に与える場合は推奨できません。電化製品とは違い、クーラーボックス内の温度を一定に保つために、指定された量の保冷材や氷などが必要です。

(3)冷蔵庫での保存
4℃の冷蔵庫で72時間まで保存可能だといわれています。NICU入院中の低出生体重児に与える母乳は48時間まで保存が可能です。

(5)冷凍保存
-20℃の冷凍庫では3〜6カ月の保存が可能です。NICU入院中の低出生体重児には、冷凍後3カ月以内に与える必要があります。液体を冷凍すると体積が増えるため、容器の4/3までに留めましょう。

解凍後は速やかに与える必要がある

冷凍保存をしていた母乳を解凍したら、速やかに与えなければなりません。搾乳後すぐの母乳には、殺菌作用があるリンパ球や好中球などが豊富に含まれているため、細菌の増殖が抑制されています。しかし、冷凍することでこれらの細胞が死滅するため、解凍後は細菌が増殖しやすくなります。遅くとも解凍後12時間以内に与えましょう。

母乳の適切な解凍方法

母乳の適切な解凍方法は次の通りです。

(1)流水かぬるま湯で解凍する

(2)4℃に保たれた冷蔵庫内で自然解凍させる

ぬるま湯で解凍する場合は、体温以上に温めないよう注意が必要です。母乳に含まれる免疫抗体が減少し、脂肪を分解する酵素を活性させる効果が低下します。電子レンジでは加熱に偏りが生じるため、母乳の解凍には適しません。

<まとめ>
母乳は室温でも保存可能ですが、長くても4時間しか品質を保つことができません。冷蔵庫や冷凍庫で保存する場合も、保存期間の目安を守りましょう。解凍する際は、体温以上に温めないよう注意が必要です。