母乳の出は良いけれども乳腺炎などのトラブルを抱えている場合は、薬により断乳をすることもあります。今回は薬を使用した断乳について解説します。

断乳とは?

ママの意思で母乳育児を止めることを断乳と言います。以前は母親への依存度が高くなることが懸念され、1歳6カ月を迎えるまでに断乳することが一般的でした。しかし、現在では親子間のスキンシップの重要性に注目が集まり、赤ちゃんが自然に母乳を必要としなくなるまで待つ卒乳が増えました。

しかし、ママの社会復帰などを理由に、断乳が必要な場合もあります。その場合は1日3食離乳食をしっかり食べられるようになる1歳頃から開始するケースが多いようです。

断乳に薬を使用する場合もある

母乳の出が良すぎる場合は、母乳分泌過多症と診断される場合があります。出産直後は赤ちゃんが飲める量以上の母乳が生成され、母乳が余ることが多いです。しかし、生後2〜3カ月と赤ちゃんの月齢が進んでも母乳が余っている場合は、母乳分泌過多症の可能性があります。診断の目安としては、母乳パッドを1時間おきに交換する必要があるかどうかです。母乳分泌過多症には以下の要因が考えられます。

◆もともと乳腺が発達している
母乳分泌過多症で特に多い原因は、ママの体質が考えられます。もともと乳腺が発達していると、母乳の出が良すぎて赤ちゃんが飲み切れない量の母乳が生成されます。

◆強いオキシトシン反射
オキシトシンは、母乳を外に押し出す作用があるホルモンです。オキシトシンに対する反射が強いと大量に母乳が出る原因になります。

母乳分泌過多症は搾乳、ハーブティーを飲むなどの対処法がありますが進行すると乳腺炎に発展する場合もあります。母乳が出過ぎて日常生活や健康状態に支障をきたす場合は、薬の服用により母乳の生成を止め、断乳することもあります。

断乳するために使用される薬

断乳のための主な薬は以下の通りです。

(1)カベルゴリン
カベルゴリンは、パーキンソン病や高プロラクチン血症に使用される薬です。母乳の生成を促進するプロラクチンというホルモンの分泌を抑える作用があります。母乳の過剰分泌を抑えることができますが、吐き気、嘔吐、便秘、食欲不振、めまい、立ちくらみ、むくみ、発疹などの副作用が多い薬でもあります。

(2)テルグリド
テルグリドも高プロラクチン血症の治療に使用される薬で、プロラクチンの分泌を抑える作用があります。副作用には悪心、嘔吐、めまい、眠気、発疹、倦怠感などがあります。

(3)ブロモクリプチンメシル酸塩
ブロモクリプチンメシル酸塩も、プロラクチンの分泌を抑える薬です。カベルゴリン同様パーキンソン病の治療に使用されます。成長ホルモンの過剰分泌を抑制する作用もあります。吐き気、嘔吐、便秘、口の乾き、食欲不振、めまい、立ちくらみ、興奮、むくみ、発疹などの副作用があります。

薬を使用した断乳は薬の副作用などリスクもあるため、かかりつけの医師と相談し慎重に選択する必要があります。高血圧の場合など使用できない薬もあるため、医療機関で相談する際には自分の体質や持病も伝えましょう。