ディスクリプション(120文字前後:検索結果に表示されるリード文) 食品に含まれている葉酸は吸収率が低いため、意識して摂らなければ足りなくなることがあります。ビタミンB12は欠乏する心配は少ないですが、肉類や魚類からのみ摂れるため菜食主義者の方は注意が必要です。今回は、葉酸欠乏とビタミンB12の関係性について解説します。

葉酸とビタミンB12の関係性

葉酸はビタミンB9とも呼ばれ、ビタミンB12と同じくビタミンB複合体の1つです。これらの栄養素はDNAや赤血球などの合成に必要な補酵素です。葉酸が欠乏すると血清葉酸の低下から始まり、好中球過分葉(核に過剰な分葉が起こる)、赤血球中葉酸の低下や巨赤芽球の出現などが起こります。また、血清葉酸値が正常の場合でもビタミンB12の欠乏により葉酸の代謝が阻害され、葉酸欠乏と同じ症状が現れることがあります。そのため、葉酸欠乏を確定診断するためには血清ビタミンB12の測定が必要です。ビタミンB12欠乏症の場合、血清葉酸値が上昇します。

葉酸とビタミンB12が足りなくなる原因

次のような要因により、葉酸が失われます。

(1)葉酸代謝拮抗剤の服用
体内での葉酸の合成を阻害することで、葉酸が失われます。

(2)抗てんかん薬の服用
血液中の葉酸濃度を低下させる作用があります。

(3)経口避妊薬の服用
葉酸の吸収を阻害する作用があります。

(4)アルコールの摂取
体内で葉酸が利用されるのを阻害する作用があります。

また、ビタミンB12はパラアミノサリチル酸、ネオマイシンやプロトンポンプ阻害薬などの影響で吸収率が低下し、基準値よりも下回る場合があります。

どちらか一方が欠乏すると巨赤芽球性貧血が起こる

葉酸とビタミンB12のいずれかが欠乏すると細胞分裂に異常が起こり、骨髄中の赤芽球が巨大化します。これを巨赤芽球といい、それに伴い貧血の症状が現れます。通常よりも赤血球が大きくなることで、赤血球や白血球、血小板などが正常に作られなくなり、貧血の状態が引き起こされます。

葉酸欠乏が原因の場合は、ほうれん草やレバー、柑橘類などから葉酸を補充する食事療法や、経口薬による治療法などが適応されます。ビタミンB12の欠乏が原因の場合は、注射や点滴による投与で症状が改善に向かいます。

葉酸はほうれん草やモロヘイヤ、柑橘類などに豊富に含まれています。ビタミンB12は腸内細菌により生成され、肝臓に蓄積されます。そのため欠乏する心配は少ないですが、基本的に動物性食品にしか含まれていないため、菜食主義の方は注意が必要です。

<まとめ>
葉酸とビタミンB12は体内で一緒に働く栄養素です。ビタミンB12が欠乏すると葉酸の代謝が阻害されて欠乏状態に陥ることがあります。どちらか一方の栄養素が欠乏すると細胞分裂に異常が起こり、巨赤芽球性貧血になる場合があります。