購入費は5000万円

山梨県甲府市で今月3日、「このはな産婦人科」が開院しました。妊娠から産後ケアまで切れ目のない支援を行える施設として、妊産婦の負担軽減が期待されています。

院長は、山梨大病院の産婦人科医だった中村朋子さん。このはな産婦人科を開院するにあたり、土地と建物は中村さんが用意し、高額な医療機器である超音波診断装置や検診台などは甲府市が購入して、同産婦人科に無償で貸し出しました。

開院のきっかけ

中村さんが、山梨大病院に勤務していた時に、同大病院での出産数は増加傾向にあり、また健診などを受けに来る妊婦が、長い順番待ちをしなければならないほど、患者の数も増えていました。

それというのも、県内で出産できる施設が減少し、妊産婦が都市部の大きな病院に集中するようになったことが原因です。

出産施設の減少についてなんらかの対策が必要だと感じていた当時の中村さんは、出産は大学病院などに任せるにしても、出産直前まで妊婦に寄り添う医師が地域にいれば、妊婦健診や産後ケアなどの対応ができ、都市部の病院への集中も緩和されるのではないかと考えました。

甲府市からの申し出

甲府市は、平成26年度の調査で、合計特殊出生率が数年ぶりに下落し1.55人となりました。また、市内居住者の理想の子ども数は2.6人であるのに対し、現実の子どもの数は1.8人となっており、子育て環境を改善することで、出生率の回復が見込まれるかもしれないこともわかりました。

そうした中、同市は山梨大病院を通じて中村さんの考えを知り、産前産後のサポートを行える産婦人科の開院を後押しすることにしました。

このはな産婦人科

同産婦人科は、甲府市や山梨大病院と連携し、出産や高度な治療などは同大病院に任せ、産前の妊婦健診や、産後ケアによって、妊産婦の負担軽減に取り組んでいく計画です。

また、電子カルテの情報を同大病院と共有することで、出産時に妊婦が同大病院を訪れても、一から説明をする必要がないようにしています。

自治体と大学病院、そして地域の医療施設が連携を深め、妊娠・出産・育児と、一貫した支援を行える場として、どれだけ同産婦人科が機能するのか、今後の地域医療を考える上でのモデル事業となりそうです。

参考サイト

このはな産婦人科 ホームページ