タイ・バンコクの投票所で、新憲法草案の賛否を問う国民投票に票を投じる女性(2016年8月7日撮影)。(c)AFP/BORJA SANCHEZ-TRILLO〔AFPBB News〕

 2016年8月7日、軍事政権下にあるタイで新しい憲法案が承認された。

 現政権(2014年5月22日のクーデターでインラック政権を倒し成立した軍部主導のプラユット政権)主導で起草された新憲法草案への是非を問う国民投票が実施され、大方の予想に反し、賛成が反対を大きく上回り、承認されたのだ。

 中央選挙管理委員会が8月10日に発表した公式集計では、賛成が61.35%、反対が38.65%となった。投票率は59.4%で、前回の2007年憲法草案についての国民投票での投票率57.61%を上回る結果となった。

 この投票結果により、今後3カ月以内に憲法裁判所が条文の確認を行い、国王の承認の下、公布される。

 公布後は憲法関連の10法令、選挙関連の4法令が制定され、立法議会の承認の下、2017年半ばに施行される予定である。その後、2017年末または2018年初めには総選挙が実施され、民政移管が実現する予定だ。

 しかしながら、民政移管後5年間は、軍部が政権を担当する可能性が高い。タクシン派の動向も含め、タイ政治の流動化終結の兆候は見られない(注:タクシンは第31代首相、在位は2001〜2006年。2014年の軍事クーデターで政権を追われた第36代首相のインラック・チナワットはタクシンの妹)。

首相は軍部の意向に沿った人物に?

 今回承認された新憲法草案には、いくつかの特徴がある。大きな特徴の1つが首相の選出規定である。