核実験の数週間後、北朝鮮東部・元山で同国史上初めての航空ショー「元山国際友好航空祝典」が開催された(資料写真、2016年9月24日撮影)。(c)AFP/Ed Jones〔AFPBB News〕

 北朝鮮は9月9日、核弾頭の実験に成功したと発表した。今年に入って核実験は2度目で、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の発射実験を行なうなど、軍事的挑発のペースが上がっている。他方で最高幹部が「処刑」されたという情報が流れるなど、金正恩(キムジョンウン)労働党委員長の精神状態は不安定になっているようだ。

 かつての冷戦が核戦争にならなかったのは、米ソの首脳が合理的な官僚機構に支えられていたので「相互確証破壊」の抑止システムが機能したためだが、金正恩は理性を失っており、追い詰められると何をするか分からない。今や北朝鮮は「巨大なテロリスト」であり、いつ暴発してもおかしくない。

切迫する「第2次朝鮮戦争」のリスク

 韓国では、先制攻撃を求める声が高まっている。韓国の国防相は「北朝鮮の核兵器の脅威に現実的に直面していると判断した場合、金正恩の除去を図る特殊部隊の出動を準備している」と国会で答弁し、「韓国は敵の指導部の根絶や主要地域での施設を狙って精密誘導ミサイル能力を用いる計画を保持している」と述べた。

 日本人は「まさか」と思うだろうが、戦争において時間は大事な要因である。太平洋戦争で日本が無謀な先制攻撃をしたのも、1941年中に米軍を叩かないと、長期戦になったら勝機はないと考えたからだ。

 同様に北朝鮮が本当に核ミサイルを発射できるようになると、ソウルを「火の海」にするのは容易だ。38度線の休戦ラインからソウルまでは、40キロ足らず。東京と横浜ぐらいしか離れていないので、通常兵器でも数分で届く。今回の核実験は10キロトン(広島に落とされた原爆の半分)と推定されているので、それだけでソウルは壊滅する。

 北朝鮮が核弾頭を実戦配備する前に、韓国が先制攻撃や暗殺を試みることは合理的だが、北の反撃も当然予想される。韓国が金正恩を一撃で倒すことに失敗したら、確実に報復してくるだろう。もちろん北朝鮮が先制攻撃してくる可能性もある。