北朝鮮の西海発射場で、静止衛星の打ち上げロケットに搭載される新型エンジンの試験を視察する金正恩朝鮮労働党委員。北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)配信(資料写真、撮影日不明、2016年9月20日配信)。(c)AFP/KCNA〔AFPBB News〕

 米国人青年が中国で北朝鮮に拉致された疑いが濃厚であることを、本コラムでも伝えてきた(「自国民が拉致された!北朝鮮に米国の鉄槌は下るか」「失踪の米国人青年、『北朝鮮が拉致』と世界が報道」など) 。その事件について公式調査を行うよう議会が政府に求める決議案が、9月末に下院本会議で正式に採択された。

 この結果、米国政府が「北朝鮮による米国人拉致」について本格的な調査を始めるとなると、日本人の拉致事件の解決にも前向きな影響を及ぼすことが期待される。

家族の調査と日本からの要請が米国議会を動かした

 米国人のデービッド・スネドン氏は韓国に2年ほど留学した後、帰国する途中、中国を旅行し、2004年8月に雲南省の虎跳渓付近で行方不明となった(当時24歳)。家族などからの問い合わせに対し、中国当局は当初、同氏が通過していた名勝の虎跳渓で川に落ち、溺死したようだと伝えていた。

 国務省をはじめ米国政府は、スネドン氏の失踪に対してきわめて消極的な姿勢をとってきた。中国側の公式説明をそのまま受け入れ、「北朝鮮政府による拉致を証明する決定的な証拠がない」として事実上放置してきた。