新年恒例の宮中行事「歌会始の儀」が13日午前、皇居・宮殿「松の間」で行われた。今年のお題は「野(の)」。天皇、皇后両陛下や皇太子さまら皇族方のほか、天皇陛下から招かれた召人(めしうど)、選者、約2万首の一般応募の中から選ばれた入選者10人の歌が、古式にのっとった独特の節回しで披露された。

 天皇陛下は1999年9月、那須御用邸(栃木県那須町)で静養中、夜に外出し、御用邸近くでコオロギの一種「邯鄲(カンタン)」の鳴き声を聞いた思い出を詠まれた。皇后さまは、東京都心にありながら自然豊かな皇居・御所での暮らしを振り返って歌にした。

 皇太子さまは2008年5月、笠取山(山梨県甲州市)に登った際、多摩川の源流となる水が岩から滴り落ちているのを見て、流れゆく先に思いをはせて詠んだ。同妃雅子さまは昨年夏、那須で静養中、ご一家3人で散策の際に秋の草花の名前を長女愛子さま(15)に教えた喜びを歌にした。

 昨年の三笠宮さまの逝去を受け、三笠宮家と高円宮家の皇族方は欠席し、歌の披露もなかった。