人間には、自身の記憶が確かなものかどうか自己評価する能力が備わっているが、順天堂大などの研究チームは13日、この能力が霊長類(マカクサル)にもあり、脳の前頭葉にこれをつかさどる領域を見つけたと発表した。論文は同日付の米科学誌サイエンスに掲載された。

 人間は過去の事柄を思い出す際、その記憶が確かなのか、あやふやなのかを評価する「メタ記憶」と呼ばれる能力を持つ。高度な認知機能と考えられているが、他の動物にもあるのかや、脳のどの部位が担当しているかなどは分かっていない。

 順天堂大の宮下保司特任教授らは、マカクサルに幾つかの図形を学習させ、1度見たことのある図形を選ばせる記憶試験を実施した。

 次に、記憶試験で正解していればより多くの報酬がもらえるが、不正解ならもらえない「高リスク」選択肢と、報酬は少ないが不正解でももらえる「低リスク」選択肢の二つを提示。サルに選ばせたところ、実際に正解していたサルの約7割は高リスク選択肢を選んだ。サルもメタ記憶に基づき、自身の記憶に自信がある場合には、多くの報酬を得られる選択肢を選ぶことが分かった。

 また、機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)でテスト時の脳活動を観察したところ、メタ記憶に関わる判断をする時には、脳の前頭葉内の特定領域が活動していることも判明。薬剤で一時的にこの領域を働かなくすると、記憶能力そのものに影響は出なかったが、メタ記憶の能力は低下した。