京都市左京区にある小さな寺の本尊で、江戸時代に作られたと思われていた半跏思惟像(はんかしゆいぞう)が、7世紀に朝鮮半島で制作された可能性が高いことが13日、分かった。大阪大などが仏像の成分を最新技術で分析した。

 この寺は左京区八瀬近衛町の妙伝寺。

 大阪大など日韓の研究チームは、2011年に妙伝寺の半跏思惟像の成分を分析し、スズが10%近く含まれていることを突き止めた。研究チームは4世紀から近代までの仏像など約400体を分析。スズの含有量と装飾の特徴から、朝鮮半島で7世紀ごろ作られた金銅仏の可能性が高いと判断した。

 研究チームの藤岡穣大阪大教授は、耳たぶの切れ込みはインドの仏像の特徴で、髪が横にすかれているのは朝鮮半島の伝統的な要素と指摘。「宝冠や装身具が精巧で、当時の技術から考えると非常に珍しい。新しい仏像を作ろうと技術を駆使したのではないか」と評価している。

 妙伝寺は盗難を防ぐため、3Dプリンターで複製したブロンズ像を新しい本尊として安置し、本物は博物館に預ける。住職の荒木正宏さん(64)は「貴重な仏像を後世に残す責任がある。安全が確保できたら後々お迎えしたい」と話した。