【シドニー時事】安倍晋三首相は14日午後(日本時間同)、オーストラリアのシドニーでターンブル首相と会談し、20日に発足するトランプ次期米政権と日豪が強固に連携していくことを確認した。防衛協力の推進でも一致し、会談後、自衛隊と豪軍の物資融通の対象に、新たに弾薬提供を含める日豪物品役務相互提供協定(ACSA)改定の署名式に立ち会った。

 両首脳は会談で、日米、豪米の同盟について「平和と安全の要で、地域の安定と繁栄を下支えするもの」と評価。この後の共同記者発表で安倍氏は「次期米政権と強固に連携していく意思を確認した」と強調。ターンブル氏も「米国と密接に協力し、地域の関心事を進めていく」と述べた。

 両首脳は、自衛隊と豪軍の共同訓練など「より深い防衛協力」を追求するよう両国の防衛相に指示した。ACSAの改定は昨年3月の安全保障法制の施行に伴うもので、防衛協力の一環。両首脳は、共同訓練を円滑にする新たな協定についても、年内妥結に期待を表明した。

 南シナ海問題については、協力の一層の強化で合意。海洋進出を拡大する中国を念頭に、「深刻な懸念」を共有するとともに、軍事拠点化や緊張を高める行動の回避を求めた。東シナ海についても、現状を変更する一方的な行動にそろって反対した。

 トランプ次期米大統領が脱退を表明し発効が絶望視される環太平洋連携協定(TPP)に関しては、「引き続き必要不可欠な優先事項」として、早期発効を目指すことを確認。トランプ氏に対し、さまざまな機会を通じて協定の意義を粘り強く訴えていくことも申し合わせた。アジア広域の域内包括的経済連携(RCEP)の早期妥結に向け協調することでも一致した。