ソフトバンクがITを活用して社員と家族の健康管理を行うことに

2016年7月のニュースに、ソフトバンクがITを活用し、社員と家族の健康管理を行うとありました。
8月以降、全社員を対象にIoTデバイスと、連携するヘルスケアサービスを提供し、それぞれの体重、体脂肪、BMI、基礎代謝などを計測。
日常の健康の指標にもなるこれら数値などのデータは、デバイスに搭載される3G通信機能を用いて、自動的にクラウド「パーソナルカラダサポート」へ送信し、データ管理がされます。

このデータ管理によって、効率的な食事や運動メニューを提案するサービスでスマートフォンと連動した健康管理が可能になります。
また、さらにサポートが必要な特定保険指導対象者に対しては、食事指導などの特別プログラムを提供し、社員と家族の健康管理・増進に努めていく、としています。
企業がITを活用し社員の健康管理に乗り出している理由はどの辺りにあるのでしょう。

社員の健康管理は企業の責任という風潮

昨年12月より従業員50名以上の企業にストレスチェック制度の義務化が始まり、これまで以上に社員の健康管理に対する義務が強まりました。
これまでは、塵肺など一定の職業病に関連する安全衛生面からの対策は講じられてきたものの、社員の健康管理は「個々の責任」と捉える傾向がありました。
ところがここ数年、生活習慣病・感染症・持病の発見、他にもメンタルヘルスなど、幅広くかつ確実な対策が求められてきています。

さらに、ここに企業の社会的責任がかぶさってきます。
マスメディアの影響に留まらず、フェイスブックやツイッターなどのSNS普及もあり、万が一、社員が過労死するなどの事件が発生すると、企業側の管理体制の欠如を大きく問われます。
そして世の中の風潮としては、企業が社員の心身の健康状態に配慮していく責任をもつことが当たり前のようになってきており、管理体制の有無は、企業イメージに非常に大きな影響を与えかねません。

社員の健康状態が企業の生産性を左右する

これら外的要因が大きいものの、実際のところは、社員の生産性をいかに維持するかがITで社員の健康管理の主目的ではないかと考えています。

一番耳にするのは「メンタル不全」。
心身による不調で休みがちになり欠勤が続いてくると、その社員が生み出す利益が失われるばかりではなく、周囲の社員への負担も大きくなります。その結果、企業の生産性が落ちることになります。

さらには医療コストがかさみますので、社員が健康を害すると大局的には社会保険料の費用負担にもつながりかねません。

健康じゃなければ仕事に身も入らず、社員のやる気も出ません。生産性も落ちます。周囲への影響もあります。

社員の健康管理にITを活用し、より早く・正確に健康状態を把握することで、早い段階で健康を害する芽をつみ、社員のやる気につながるようにし企業の生産性に影響が出ないようにする。
これが一番の効果ではないでしょうか。

(成澤 紀美/社会保険労務士)