優秀な人材の確保につなげていくのが狙い

IT大手のヤフーが数年内に週休3日制を導入することを検討していることが、明らかになり、各種メディアでも数多く取り上げられ、話題になっています。
政府による働き方改革がまさに動き出している中で、積極的に改革に取り組もうとしている会社の姿勢は評価されるのではないでしょうか。
これだけ多数のメディアで報道されれば、会社のPRになりますし、その効果は大きく、ヤフーへの入社を検討する人が増えるきっかけにもなりそうです。

さて週休3日制を導入する主な目的は働き方の多様化を進めるためです。
実際に人材の争奪戦がかなり激しくなる中、柔軟な働き方の導入で優秀な人材の確保につなげていくのが狙いです。
この週休3日制については、全従業員約5,800人を対象にすることを考えており、数年内の実現を目指すとのことです。
まずは週2日の休みの曜日を、土日だけに限定せず自由に選べるようにして、今後段階的に検証しながら徐々に進めていくことになります。

新幹線通勤や自転車通勤も解禁へ

週休3日制は、カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが転勤のない「地域正社員」についてはすでに導入しておりますが、今回のヤフーのケースでは全社員を対象としている点で大きな違いがあり、かなり注目されています。
ファーストリテイリングの場合、週あたりの労働時間を変更せずに休日を増やしているので原則1日10時間労働となっています。
ヤフーの場合、まだ制度の詳細は明らかになっていないのでわかりませんが、いずれにしても時間あたりの労働生産性をアップさせ、従業員の勤労意欲が高まることをかなり期待していると予測できます。

今回のヤフーの発表では、新幹線通勤を条件付きで認め、月額15万円までの通勤費の補助をしたり、オフィスまで10km圏内であれば、自転車通勤も解禁したりしています。
またこの10月からはオフィス外で働ける日数を月2日から5日に増やすことにしており、これらの制度は週休3日制を導入することを後押ししてくれることになりそうです。

増えた休日の過ごし方もポイントになる

このような制度の導入によって、働き方改革の先鞭がつけられるのかどうかは誰もが気になるところですが、導入するヤフーにとって一番大事なことはこの制度導入を成功させることです。
働く従業員にとっては、求められる成果も厳しくなるでしょうし、結果的にサービス残業や休日労働が増加してしまうことも予測されるので、会社側も導入前の準備段階で検証していくことが重要になってきます。

導入にあたってはさまざまな課題もありますが、トータルでみれば従業員も企業側にとってもメリットがたくさんあります。
従業員にとっては休日が増えたことでそれらをどのように活用し、自分の人生を楽しむかがポイントになるでしょう。
また休日の過ごし方を充実させることで、創造力も豊かになり、質の高い仕事で成果をあげることにもつながるはずですので、従業員もこれを機会に自分の働き方について、少し掘り下げて考えてみるのもいいかもしれません。

(庄司 英尚/社会保険労務士)