食欲の秋こそ胃腸のトラブルに注意

『食欲の秋』は実りの秋にふさわしく、美味しいものが1年で一番多い時期と言われています。
しかし、その反面、実は胃腸のトラブルが多い季節でもあるのです。
せっかくの食欲シーズンを元気に過ごすための胃腸のいたわり方を今回はご紹介したいと思います。

そもそも胃腸はカラダにとって大切な栄養素が入ってくる入り口です。
胃で消化して、腸で吸収する、この流れが詰まってしまうとカラダを動かすためのエネルギーをしっかりと内蔵に貯めこむことができません。

『胃の不調ぐらい・・・』と甘く見ていると全身の倦怠感や思わぬ病気に繋がります。
人間は当然ですが食べたものから細胞のエネルギーを作り出し、体内にある約60兆個の細胞にそれがしっかりと行き渡ることで元気に過ごせます。
その入り口である胃腸のトラブルというのは全身に波及しますので本当に注意が必要です。

胃の不調もタイプは様々

さて、胃の不調と一口に言ってもそのタイプや症状は様々です。
私も日頃の健康相談、漢方相談でとっても大切にしていることは『なぜ胃が不調になったか?』という原因をしっかり考えることです。
その原因によって当然ですがいたわり方が違ってきます。

西洋医学の場合は原因よりもどちらかと言うと現れている症状に合わせてお薬を選んだりします。
しかし、漢方では、同じような症状、例えば、胃痛、胃もたれ、下痢などでも、原因によって使用する薬が異なるので、この『原因を知る』ということはとても大切なことなのです。

ストレスが原因なのか?
単純に食べすぎて胃が弱っているのか?
もともと胃腸が弱いのに無理して食べたのか?
気温が低下してきているのに冷たいものを夏みたいに摂りすぎていたからか?
食事の内容に問題があるのか?
水分を摂りすぎているからか?
など、胃の調子が悪い方はどうして調子が悪くなったかをぜひ考えてみてください。
原因となっている習慣を改善しながら、今からご紹介する胃腸をいたわる養生法などで元気な胃腸に回復させましょう。

食欲の秋に胃をいたわる養生法

・飲食物は冷たいものより温かいものを取るように心がける
夏の習慣を引きずらず胃腸を冷やさないよう、温かい料理や飲み物を出来る限り摂りましょう。
日中まだ暑い日も多いですが、出来る限り温かいものを。
『温かいものか?冷たいものか?』でもし悩んだら、迷わず温かいものをチョイスしましょう。
冷え冷えの食べ物(アイスなど含めて)は胃の粘膜なども弱らせるので、日頃から胃の弱い方は冷たいものに注意しましょう。

・40℃以下のお湯でゆっくり入浴
そして、一日の終わりは湯船につかってのんびり、秋独特の寒暖差で冷えた身体が温まり、血行を促進して胃腸機能も回復します。
40℃以下の微温浴にすることで副交感神経が刺激され、胃腸の働きも活発になるのでおすすめです。
夏に比べ汗をかかなくなるので、適度な発汗で体に溜まった余計な水分、水毒・湿を取り除くサポートにもなります。

胃の不調になったときは原因と症状にあったお薬を

胃の不調になったとき、胃腸薬を服用する方も少なくないと思います。
消化を促進する胃腸薬、胃酸を抑える胃腸薬、胃痛を抑える胃腸薬、など種類も様々です。
『自宅にあったから』という理由で症状にあっていないお薬を服用している方もかなり多いので必ず専門家に相談することをオススメします。
また、漢方薬になると前述の通り不調の原因やその人の気質・体質などによって方剤が変わるので決して病名や症状だけで選ばないようにしましょう。
一般薬でも漢方薬でも症状や原因にあっていないお薬は効果が発揮されないだけでなく『百害あって一利なし』です。

胃の不調は疲れの表れ

秋は胃腸がとくに弱りやすい時期ですが、近年は年間を通じてストレスなどの気疲れで胃腸の調子を崩す方が多く見られます。
『胃の不調は体の疲れの表れ』といっても過言ではないと思います。
これから忙しい年末年始に向けて良い体調で乗り越えるためにもこの食欲の秋を元気な胃腸で過ごしましょう。

(早川 弘太/健康コンサルタント)