末松千尋 著
京都大学大学院マネジメントスクール 経済学研究科 教授 
四六判/246ページ/定価1500円+税/PHP研究所 

BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 日本生産性本部が発表した「労働生産性の国際比較 2016年版」によると、日本の労働生産性(就業1時間当たり)はOECD加盟35カ国中19位である。このデータには、世界的に見ても生産性が高い工場労働者も含まれるため、日本のホワイトカラーの生産性はさらに低いと言われる。そこで本書は、日本企業の労働時間の30〜60%を占める会議の改革を通して、ホワイトカラーの生産性向上の道を探る。
■ まず本書では、「良い会議」と業績の優良さに相関関係があることを前提に、世界の優良企業の会議から「良い会議」に共通する要素を導出する。導出された要素は、時間厳守、会議の目的・ゴール・議題の明確化、事前準備の徹底、決定事項の順守などの「規律」である。いずれも当然のことばかりだが、同時に日本のホワイトカラーの会議に「規律」がほぼ存在しないことを、著者は指摘する。
■ 次に筆者は、世界中の企業の会議を分析した上で、会議において実施したほうが良いものをリスト化する「会議スコアリング」を提唱し、会議スコアの向上が生産性や業績に好影響を与えると説く。労働時間削減が重要課題となっている現況では、会議の一律短縮などに走りがちだが、まず行うべきは「良い会議」の運営による生産性向上である。労働時間短縮の取り組みを模索する人事担当者は、本書を手掛かりに、会議改革を通じたホワイトカラーの生産性向上と、その成果としての労働時間削減を検討してはいかがだろうか。

 



会議の9割はムダ―ホワイトカラーの労働時間を50%削減させるマネジメント

内容紹介 
御社の会議で次のようなものはないだろうか。
「言いっぱなし、決めっぱなしで何もしない」「開始時間になっても来ない人がいる」「資料作成に驚くほど時間がかかる、または生データのみの資料配布」「説教の場となっている」……。
日本の製造業の改善は進んでいるが、ホワイトカラーの労働生産性が進んでいない大きな理由の一つが会議のやり方にある。
生産性を高め、時短にも直結し、当然企業業績にも繋がってくるグローバルなマネジメントを、マッキンゼーそして京都大学で実践してきた著者が紹介する。
ジンジュール