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(写真・AFLO)

自称「コミュ力偏差値42」の辛酸なめ子さんが、コミュ力のUPを目指して四苦八苦。その成果をまとめた新刊『大人のコミュニケーション術 渡る世間は罠だらけ』(光文社新書)から、上手な下ネタ対策を伝授する――。 

女性が男性の下ネタにどう対応するのが正解か、というのは重要な課題です。

以前の私は、下ネタにノリノリで参加していました。女子校出身で男性とどうコミュニケーションを取ったらいいかわからず、とりあえず下ネタで盛り上がれば友情や仲間意識が生まれると思っていたのです。

しかし、ふと気付くと自分以外の女性は静観している……。また、下ネタ女に対して男性が引いているのもだんだん体感でわかるようになり、30代以降は積極的に参加しないように気を付けています。

人は年を取ると内面が顔に表れるとはよく言いますが、とくに性的な話をしている時は如実にいやらしい顔になっているので注意が必要です。俗に言うエロ目です。

SEX大好きと公言しているキャメロン・ディアスの目というとイメージしやすいでしょうか。下ネタをのべつ言いまくったり、いやらしいことばかり考えているとエロ目が定着してしまいます。

というわけで、ここ数年は下ネタが始まると、軽い微笑みを浮かべて相づちを打つくらいにしていたのですが、この度、下ネタラッシュに血が騒ぎだし、つい身を乗り出して食い気味に聞いてしまいました。

中でも興味深かったのは、ギャラリーのグループ展の懇親会で70代の漫画家の大先輩に聞いた話です。同じテーブルになったのは、Tさん(71)とYさん(76)という、大御所の先生と、ご友人の上品なマダム(下ネタには常に無言で微笑)。

何の流れか、日本が性におおらかだった時代の話になり、Yさんが、青年時代に自転車を担いである村を通り過ぎたら、谷間の家に住むおばあさんに「ちょっと寄りなさい」と誘われ、性の奥義について教えを受けたというエピソードを話しました。

博識のTさんが、かつては「若衆小屋」というものがあり、そこではおばあさんが若い娘に床上手になる方法を教えた、という伝承を披露。

こうして数時間、下ネタばかり聞かされていましたが、なぜかドロドロした感じはなく、むしろ浄化されたような……。

最後、男女関係について「ちょっと疲れるくらいの相手がいい。山登りみたいに、少し汗かくくらいがちょうどいいよ」と、Yさんに深遠なアドバイスまでいただきました。

さんざん下ネタを話しても、最後神妙な話でしめればよい、という大人の話術を学びました。

●辛酸なめ子(しんさんなめこ)

1974年東京都生まれ、埼玉県育ち。漫画家、コラムニスト。女子学院中学校・高等学校を経て、武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。恋愛からアイドル・スピリチュアルまで幅広く執筆。著書に『女子校育ち』(ちくまプリマー新書)、『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎文庫)、『霊道紀行』『天使に幸せになる方法を聞いてみました』(以上、角川文庫)、『辛酸なめ子の世界恋愛文學全集』(祥伝社)などがある。