F1モナコGPの予選を6番手で終えたルイス・ハミルトン(メルセデス)。彼にとっては今週末は歯車がなかなか噛み合わない週末となっている。

 FP3でクラッシュを喫したハミルトンは、Q1のラストアタックでノックアウト圏内から脱出、Q2でも同様に土壇場でQ3に駒を進めた。そしてQ3では6番手となったハミルトンは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)のペナルティにより決勝を5番グリッドからスタートする。

 ハミルトンはメルセデスのアップデートが効果を発揮していると認めたが、一方で予選を通してセットアップ変更が裏目に出たと語った。

「遅くするつもりはなかったんだけど、結果的にそうなってしまったんだ!」とハミルトンは振り返る。

「まず、アップグレードを持ち込んでくれたチームは素晴らしい仕事をしてくれた。それ(効果)はすぐに感じられた。特にマシンのフロントで感じられたよ」

「ミドルセクターではこの週末ずっと後れをとっていたから、予選に向けて変更を施したけど、それで最終セクターが難しくなってしまった。二兎を追う者は一兎をも得ず、ということだね」

「今週末は色々試していたけど、その中で不確かなことがあった」

「もう1台(チームメイトのジョージ・ラッセル)は半分ほど戻していたけど、僕のマシンは全部戻した。僕は『外した方がいい』と言って、彼らは『いやいや、そのままでいこう』といったような感じだ」

「確信はあったけど、『僕が間違っていたらごめん』と言った。最終的にはまずまずだったと思う。1周のパフォーマンスは少し悪くなったかもしれないけど、レースはもっと良くなるだろう」

 ハミルトンは予選中にタイヤの温度を上げることに苦労していたため、Q3に進めないかもしれないと心配していたという。

「このセッションではタイヤの温度を上げることに苦労したけど、最後のラップでなんとかまとめ切ろうとしていた。でも黄旗、赤旗の可能性もあった。その中でなんとか通過することができた。このアタックができたことには感謝している」

 メルセデスは今回から、独創的なサイドポンツーン、“ゼロポッド”を廃止したパッケージを持ち込んでいる。チームがコンセプト変更に踏み切るのに時間がかかったことに驚いたかと問われたハミルトンは、こういった方針転換に時間がかかることに理解を示しつつも、もう少し早くこれが実現することを願っていたと語った。

「コンセプトがうまくいっているかどうかを確認するのは間違いなく難しい。ただ変えればいいというわけでもない。昨年アストンがサイドポッドを変えたけど、かといって速くなったわけではなかった」

「僕たちはその(路線変更の)方向に進んでいる。ただ彼ら(アストンマーチン)とは空気の流れ方も違う。僕たちは空力効率がまだ良くないけど、彼らは空力抵抗が少なく、多くの場所でダウンフォースを確保している。僕たちはそこに追い付かないといけない」