モンテカルロ市街地サーキットで開催されたモナコGPでピエール・ガスリーは7位入賞。しかし、正しい戦略を採っていたならば、さらに上位を望めたはずだと語る。

 7番グリッドからスタートしたガスリーは、ハードタイヤで第1スティントを引っ張り、他のドライバーがピットインする中で44周目には3番手まで順位を上げた。

 レースが進むにつれて様々なチームが、雨が襲来する知らせをドライバーに飛ばしていた。多くのドライバーはコース上でインターミディエイトタイヤに履き替える機会を待っていたが、アルピーヌは雨の数周前にガスリーをピットへ呼び込み、ミディアムタイヤへ交換した。

 しかし雨脚が強まったところでガスリーは2度目のピットストップを行ない、インターミディエイトタイヤへ交換。結果として7位でチェッカーを受けることになった。

 ガスリーのチームメイトであるエステバン・オコンは3位。アルピーヌが表彰台獲得を喜ぶ一方で、ガスリーはタイヤ戦略に不満を抱いている。

 motorsport.comの取材に対して、ガスリーは次のように語っている。

「チームにとっては、とても嬉しいことだ。表彰台を獲得できて素晴らしい週末になったし、チームとエステバンにおめでとうと言いたい」

「ただ僕のレースについては、失望したし戸惑ったと言わざるを得ない。僕らは3番手を走っていて、グリーンの状態で雨が降ることが分かっていた。ステイアウトする完璧なポジションにいたんだ」

「僕は無線で『ステイアウトしてこの状況を活かそう』と伝えたんだ。なのに僕らはピットへ入った。雨が降ってきた2周後にもね」

「僕らは3〜4位が掴めたはずだし、もっと多くのポイントを稼ぐチャンスがあった。なんで僕らがピットへ入ったのか分析する必要がある」

「もちろん、イライラを必要以上に共有するつもりはない。表彰台を獲得し、チーム全体にとって素晴らしい1日になった。でも改善すべき点がいくつかあったし、次回に向けて改善するよ」

 またガスリーは、ウェットコンディションでコースに留まり続けることが難しかったとレースを振り返っている。

「エキサイティングだったね」と彼は言う。

「何回かヒヤッとする瞬間もあった。グリップがかなり低かったよ。視界は悪かったし、青旗が振られていて、マシンの間を通らなきゃいけなかった。さらにあちこちにデブリが転がっていたんだ」

「白線や横断歩道の上もひどくて、5速で坂を登る時にもホイールスピンが起こっていた。とてもトリッキーな状況で、昨年のレーススタート時のことを思い出したよ。楽しかったけどね!」

 危険な状態だったかと尋ねられたガスリーは次のように答えた。

「ある周の5コーナーへの下りで『何かが起きるぞ』と思ったこともあった。コースは乾いているところもあれば、すごく濡れているところもあった」

「こういう場合の問題は、コースの乾いたところでタイヤを使って、摩耗してしまうこと。そしてかなり濡れていると、半分スリックタイヤを履いているように感じて危険なんだ」

「フェラーリの2台の間に入って、できる限りのことをしたつもりだったけど、もっと良い判断ができれば少なくとも3つはポジションを上げられたはずだ」

「でも僕らはそれを見直す必要がある。パフォーマンスという点では、チームにとってとてもポジティブな1日になったし、ここまでの中でベストパフォーマンスだった。ここから積み上げていけると良いね」

 そしてガスリーは、1週間後に行なわれる次戦スペインGPに向けてチームは勢いをつけていると言う。

「ひどい状況だった2レース前のアゼルバイジャンGPから、最高の週末を過ごした直近2レースにかけて、僕らが解明しなきゃいけないことが沢山ある」

「でも、マシンはかなり進化している。マシンに新しいパーツを投入し、明らかに多くのパフォーマンスをもたらしているみたいだ。次のレースが楽しみだね」