メルセデスのジョージ・ラッセルは、F1スペインGPの予選Q2でチームメイトのルイス・ハミルトンとメインストレートで接触するシーンがあった。この時のことについてラッセルは、コミュニケーションの行き違いがあったと語った。

 ラッセルはF1スペインGPで大苦戦し、予選Q2で敗退。しかもそれだけではなかった。チームメイトのハミルトンと、メインストレートで接触してしまったのだ。

 ラッセルとハミルトンは、共にアタックラップに入ろうとしていた。その際にラッセルは、メインストレートで前を行くフェラーリのカルロス・サインツJr.のスリップストリームを使い、レーシングラインに戻ろうと、進路を左に変えた。

 しかしラッセルはこの時、後ろにいるハミルトンもフライングラップに入っていることに気づいていなかったという。そのため、ハミルトンをコース外に追いやってしまうことになった。

 進路が狭くなったハミルトンは、ラッセルのマシンと接触。フロントウイングの左翼端板を破損することになったばかりか、左側のタイヤをコース外の芝生に落としてしまうことになった。2台の接触はなんとかそれで済んだが、場合によってはもっと悪い結果になってしまう可能性もあった。

 ハミルトンはこの接触の後、「ジョージは減速した。本当に危なかったよ」と語った。

 FIAのレーススチュワードは、予選後にメルセデスのふたりのドライバーを召喚。インシデントの事情を聞いた。

 ラッセルはこのインシデントについて、次のように取材に答えた。

「大変な事態だった。彼(ハミルトン)がそこにいることさえ知らなかった。サインツのスリップストリームを使おうとして周回をスタートしたんだけど、幸いなことに悪いことは起きなかった」

 ただラッセル曰く、このインシデントがなくても、予選Q2を突破するのは難しかったかもしれないと語った。

「1本目の走行でピットから出た直後から、タイヤのグリップが無かった。その理由はよく分からない」

 ラッセルはそう説明した。

「本当に苦労していて、高速コーナーでマシンが大きく跳ね始めた。今朝の走行(フリー走行3回目)では、最終コーナーを全開で走ることができなかった」

「本当に奇妙なセッションだった。マシンには完全にペースがなかったから、Q2で敗退したのは何の不思議でもない。良い感触はなかったけど、がっかりした」

 ラッセルは、FP3から予選にかけていくつかの変更を加えたが、それが功を奏することはなかったという。

「いくつか変更を行なった。でも、大きな効果があると予測できるモノは何もなかったんだ」

「もしかしたら、パフォーマンス不足に対して僕が貢献できることもあったかもしれない。でも、あのコンディションは、誰にとっても難しいモノだった。いろんなところに、苦労しているマシンがいた、それでも……僕らはこのポジションにいるべきではない。少し残念だ」