マウリシオ・ポチェッティーノにとって、監督冥利に尽きる一戦だったことだろう。前節、首位を行くチェルシーの連勝を「13」で止めたのはトッテナムだった。
チェルシーが3バックを採用して以来、アントニオ・コンテを完璧に出し抜いたのは、彼が初めてだった。この試合、スパーズは3-4-2-1でミラーゲームを挑んだ。去る11月、エヴァートンのクーマン監督が同じことをして0-5で撃沈したことを考えれば、勇気ある決断だ。しかし、周到にも直前のワトフォード戦から3バックをテストしていたポチェッティーノには、たしかな勝算があったようだ。
基本的に試合内容は互角。同じ並びゆえに正面衝突した中盤の4対4が互いの良さを消し合い、3バックはどちらも堅牢。そんな展開で小さな差を生んだのが、前線3枚のプレッシングだった。ケイン、アリ、エリクセンのトリオがハイプレスでチェルシーのビルドアップやカウンターを封じ、その効果により両翼(ウォーカー&ローズ)の高い位置取りが可能になった。そうやって前がかりで試合を進めたスパーズは、「してやったり」の形で2ゴールを連取し、勝利を手繰り寄せた。
敵陣深くまで侵入した右のウォーカーからボールを受けたエリクセンがクロスを入れ、アリがヘッドで決める。まったく同じ形で生まれた2得点は、まさにポチェッティーノの狙い通りだった。試合を通じて、2列目のアリとエリクセンは主に前者が前目で、後者が後ろ目でチェルシー守備陣の“エアポケット”を探して漂っていたが、得点シーンはその絶妙なポジショニングの賜物だった。また、アリがフリーだった影に、左サイドの高い位置に張ってモーゼズの注意を引いたローズがいたことも忘れてはいけない。この一連の形こそ、指揮官が見出した“チェルシー攻略法”だったのだ。