停電時に自動復旧する「消えない信号機」の宮城県内の整備率が2015年度、全国1位だったことが宮城県警への取材で分かった。全国平均が3.9%と低迷する中、宮城県は4倍近い14.5%だった。東日本大震災で多くの信号機が作動しなくなり、対応に追われた教訓を踏まえ積極的に導入したという。
 県警交通規制課によると、「消えない信号機」の整備率上位と被災3県の状況はグラフの通り。福島は8.5%で4位、岩手は3.4%で22位だった。
 宮城県警は1995年以降、予備電源に軽油を燃料とする「発電機」の導入を進めてきた。震災時の設置数は107基で、整備率は当時の全国平均をやや上回る3.2%にとどまっていた。
 震災時は大規模停電で信号機が止まり、多くの警察官が手信号による交通整理に当たらざるを得なかった。主要な交差点で渋滞が起き、沿岸部では津波から逃げ遅れた人も多数いた。
 県警は「避難に車を使うべきではない」として、震災時の交通渋滞と「消えない信号機」導入の因果関係を否定した上で「信号が止まらなければ、手信号を担当する警察官を捜索や救助に動員できる」と説明。国費負担7割の「緊急防災・減災事業」などを活用し、新技術の「リチウム電池式」を年約50基のペースで整備している。
 県内の信号3496基のうち、「発電機式」の信号は205基、「リチウム電池式」は302基。本年度はさらに最低59基を設置する予定で、「消えない信号機」の数は震災時の約5倍に上る。
 ただ、全国トップとはいえ整備率は2割に満たない。全国的に低水準で推移している背景には、財源の問題がある。予備電源の設置費用は発電機式が約280万円、リチウム電池式が約160万円。補助率が高い国の「緊急防災・減災事業」が17年度以降、継続されるかどうかも不透明だ。
 県警交通規制課の柳谷聡課長補佐は「信号機の供給電源は道路や橋と同じ重要なインフラ。国の助成金が切れたとしても、費用対効果を考えながら県内全域で整備を進めたい」と話す。

[消えない(自動復旧型)信号機]予備電源として、軽油で動く「発電機式」とバッテリーを使う「リチウムイオン電池式」が主流。発電機式は軽油40リットルで約24時間、リチウム電池式は4〜5時間、交差点内の全信号を点灯できる。リチウム電池式は地上4メートルの高さに設置できるため、津波に備え、沿岸部で重点整備が進む。