台風10号豪雨で被災した岩手県岩泉町で朝晩の冷え込みが強まり始め、住民が冬物衣類の支援を求めている。自宅が浸水被害に遭った被災者の多くは泥のかぶった衣類を廃棄したため、支援物資に頼らざるを得ない。山間部の同町は秋の到来とともに朝の最低気温が10度を切るようになり、夜も肌寒くなってきた。町は防寒着や暖房器具の支援を呼び掛けている。
 町役場に近い町民会館の支援物資置き場の衣類コーナーには、全国から送られてきた普段着や作業着、下着類などが並ぶ。被災住民は自由に持ち帰れるが、防寒着はほとんどない。
 21日に物資置き場に外出用の上着を探しにきた袰綿(ほろわた)地区の砂森善一さん(72)は「自宅の服は泥にまみれて全て駄目になった。朝晩の寒さは我慢してしのいでいる」と苦笑いする。
 妻と息子と3人暮らし。川べりの自宅は濁流に襲われて全壊した。今は門地区の知人に借りた民家で避難生活を送る。「必要な物はできるだけ自分で買いそろえたかったが、金銭的な余裕がない。支援物資に頼るしかない」と話す。
 盛岡地方気象台によると、同町の21日朝の最低気温は9.3度。台風10号が岩手に上陸した8月30日の最低気温19.5度と比べて10度以上、下回った。
 平均気温は21日が15.5度、8月30日は23.0度。約3週間で7.5度低下した。10月の平年の最低気温は6.7度、平均気温は11.8度で、晩秋に入ると冷え込みはさらに強まる。
 支援物資を担当する町教委の馬場修教育次長は「被災直後に多かった水や食料のニーズは落ち着き、現在は冬に備えて防寒着や暖房器具、毛布の要望が増え始めている。無理のない範囲で支援を頂けるとありがたい」と説明する。
 物資を送る際は要相談。連絡先は岩泉町教委事務局0194(22)2111。