東北6県の本年度の最低賃金(時給)は716〜748円で、2002年に日給から時給ベースに切り替えて以降、最大の上げ幅となった。一方、全国加重平均の823円を大幅に下回る状況は変わらず、大都市圏との差は拡大。地方からの人口流出を懸念する声が上がる。
 各都道府県の最低賃金審議会が決定した本年度の改定額は図の通り。改定額は10月1日以降、賃金に順次適用される。東北6県は前年比21〜22円増で昨年(16〜19円増)より大幅に上昇した。
 改定の目安となる金額は毎年7月、厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会が提示。所得や物価などの指標を基に、都道府県をAからDまでランク付けして公表される。
 東京、大阪などの「A」が25円の引き上げだったのに対し、宮城は「C」の22円増、青森、岩手、秋田、山形、福島の5県は「D」の21円増にとどまった。
 連合宮城の小出裕一会長は「ランク付けが地域間格差を生んでいる。地方に魅力がなくなり、働き手が都市部へ流出する。制度の欠陥だ」と厳しく批判する。
 8月にあった宮城地方最低賃金審議会では経営者側から、大幅引き上げに対する反対意見が相次いだ。小出氏は「中小零細企業は賃上げに踏み切りにくい現状がある。公労使が一体となり、対策を考えなければならない」と警鐘を鳴らす。
 連合秋田事務局は「地方はアベノミクスの恩恵を感じておらず、経営者側の理解を得るのが難しい」と地域事情を語った上で、「働く人のセーフティーネットとして、早急な引き上げを求めたい」と訴える。