昨年8月の台風10号豪雨で、避難情報が発令された青森県内21市町村にある介護施設や病院など169施設のうち、半数以上が避難情報を正しく把握していなかったことが県の調査で分かった。高齢者や妊婦など避難に時間がかかる人に避難開始を求める「避難準備情報」の意味も、半数近くが知らなかった。

 調査は、台風10号豪雨で岩手県岩泉町の高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」の入所者9人が死亡した被害を受け、昨年11〜12月に実施。避難情報が出ていた21市町村の浸水想定区域、土砂災害警戒区域にあり、自力避難が難しい要配慮者が利用する239施設にアンケートを郵送し、169施設(70.7%)から回答を得た。
 青森県内では当時、避難準備情報が21市町村で発令され、このうち八戸市全域や青森市の一部など3市6町には避難勧告も出ていた。しかし調査に対し、回答した施設の43%が地域の避難情報について「発令されていない」、9%が「把握していない」と答えた。
 実際の対応では、「入所者を避難させた」は皆無で、「避難準備を開始したが施設にとどまった」が19%。「特に対応しなかった」が42%と最も多かった。
 避難準備情報の意味を「知っていた」が47%だったのに対し、「当時は知らなかった」が45%。回答した時点では「知っている」が80%になったが、「知らない」も15%に上った。
 水害や土砂災害の恐れがある地域に施設が立地しているかどうかは、25%が「立地していない」、18%が「分からない」と回答。そうした地域の施設で避難計画作成が努力義務となっていることも、「当時は知らなかった」が59%を占めた。
 県健康福祉政策課の担当者は「発令状況と実際の危機意識の乖離(かいり)が明らかになった。調査結果を生かし、新たな対策を考えたい」と話す。