数分しか記憶が残らないことも

高次脳機能障害は、脳に損傷を受けたあと脳の機能に何らかの障害が残るもので、患者さんの社会復帰をはばむ重大な後遺症の1つです。最近ようやく医療体制、社会制度などが整いつつありますが、いまだ認知症や精神疾患と間違えられることが多いのが実情です。

◆事故や災害、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害などで脳が損傷されると、一命を取り留め落ち着いてから、後遺症が現れることがあります。例えば、どちらかの半身がマヒして動きにくくなったり、言葉が出にくくなったり、目が見えなくなったりと、さまざまな症状があります。

◆最近注目されている「高次脳機能障害」もこうした後遺症の1つですが、外観上はわからないような症状のため、患者や家族は生活上、また違った困難に直面することになります。

◆脳は神経細胞(ニューロン)から発せられる電気信号でお互いに情報をやり取りしています。神経細胞の数は脳全体で千数百億個になるといわれ、巨大なネットワークを形成しています。このネットワークのおかげで私たちは食べる、歩くなどの基本的な動作から、理解する、判断する、記憶する、笑う、泣く、コミュニケーションをとるなどの人間的な行動をスムーズに行うことができるのです。

◆高次脳機能障害は、特に人間的な働きがダメージを受けてしまいます。症状はおもに、①記憶障害、②注意障害、③遂行機能障害、④社会的行動障害の4つ。現れ方は脳の損傷部位によって異なり、個人差が大きいのが特徴です。


▽▼▽記憶障害、注意障害、遂行機能障害とは? など▽▼▽

(監修:寺本神経内科クリニック院長 寺本純)