相貌失認(失顔症)とは?

久々に会った人の名前が出てこなくて気まずい思いをした…誰でも経験をしたことがあるでしょう。では、親しげに話しかけてきた相手の顔にまったく覚えがないという経験はどうでしょうか? もしそのような経験が何度かある場合、人の顔を覚えられない病気かもしれません。

◆人の顔が認識できなくなるのは、相貌失認(そうぼうしつにん)または失顔症と呼ばれる脳の病気の症状です。先天性または後天性のものがあり、あまり知られていませんが人口の2%程度は先天性の相貌失認ではないかとの説もあります。

◆対人関係において、人の顔を覚えられないのが深刻な問題であることは容易に想像できます。相手が何度も会って話をした自分のことを覚えていないと知ったら、だれでもがっかりするでしょう。気分を害する人がいてもおかしくはありません。そうしたことが原因で仕事上の対人関係に問題が生じたり、大きな損失を被ったり、場合によっては職を失う可能性もあります。

◆人の顔を認識するとき、脳内ではとても複雑で高度な情報処理が行われています。顔認識を担っているのは、脳の側頭葉、後頭葉にある顔領域と呼ばれる部分。相貌失認はここに何らかの異常があって発症するようです。

◆この病気では、目、鼻、口、耳、髪型などは個々のパーツとして認識できるのに、それらを総合的に1つの顔として認識することができないために、それぞれの人の顔を区別できないと考えられます。


▽▼▽相貌失認の人が、家族や友人を判断できる理由 など▽▼▽

(監修:寺本神経内科クリニック院長 寺本純)