座り方、作業のやり方を見直して

尾てい骨のあたりの皮膚を触ってみると、カサカサしていたり、硬くなっていたりしませんか? それは老化現象のひとつですが、日常生活で座っている時間が長すぎると、起こりやすくなるようです。長時間、車の運転をしているタクシードライバーや運送業の人たちにも見られます。

◆尾てい骨周辺の皮膚が硬くカサカサになる状態を、医学的には「臀部角化性苔癬化皮膚(でんぶかくかせいたいせんかひふ)」と呼びます。年齢を重ねて皮膚の機能が衰えてきたところに、座りすぎなどで物理的な刺激が加わり、いわばお尻に“タコ”ができた状態です。

◆パソコン作業などを長時間したあと立ち上がったとき、尾てい骨の周辺に痛みを感じたという経験はありませんか? クッションの役割をするお尻の筋肉が、老化により弾力性を失ったり痩せてしまったりすると、皮膚は骨と椅子の座面の圧力をじかに受けるような状態になり、痛みにつながることがあります。こうしたことが繰り返されると皮膚への負担は大きくなり、ついにはタコのようになるのです。

◆加齢による皮膚の機能低下は、顔など見える場所だけではなく、全身に起こります。ふだんはあまり気にすることのないお尻の皮膚も乾燥し、外部からの刺激に対する抵抗力が弱くなっていきます。

◆硬くなった皮膚を放置すると、ひび割れができて、座るたび痛みを感じるようになる可能性も。早めの対処が大切です。すでに割れてしまった皮膚に対しては、軟膏をぬってガーゼなどで表面を保護してください。すぐに剥がれてしまう場合や、皮膚のかぶれが気になるなら、悪化する前に皮膚科を受診しましょう。褥瘡(じょくそう)と間違われている患者さんもいます。


▽▼▽臀部角化性苔癬化皮膚の予防法 など▽▼▽

(監修:関東中央病院 皮膚科特別顧問 日野治子)