政務活動費の不正請求で辞職願を出している坂野裕一県議(52)が代表を務める民進党県連が、坂野氏の親族が経営する会社所有のビル(富山市新庄町)に入居し、5年分の家賃として政党交付金約1400万円を支出していたことが分かった。坂野氏自身も同じビルにある個人事務所の家賃として政活費から4年間で約1200万円を出していた。税金を原資とする支出総額は約2600万円に上る。 政党交付金は、国から党本部を通じて県連に、政活費は県から支出されている。いずれも事務所費に支出でき、親族企業への支払いも法的には問題ないが、議員の身内に税金が還流した形になる。 坂野氏は22日、北日本新聞の取材に「契約内容は知っているが、会計の細かい部分には関与していないため、詳細は分からない」と説明した。 政治資金収支報告書などによると、県連は2010〜14年に月約22万円を交付金から、坂野氏は10〜13年度に同じビルにある個人事務所の家賃のうち半額に当たる約25万円を政活費から毎月、支出していた。 ビルは10年以上前から県連が入居しているといい、今年8月まで坂野氏の父親が代表取締役で、坂野氏本人も取締役を務める富山市のビル管理会社が所有。現在は弟の会社が所有している。富山駅の東約4キロの国道41号沿いで、不動産業の関係者によると、家賃は周辺の事務所より割高という。 個人事務所の家賃について、坂野氏は21日の会見で「親しい不動産屋から相場を聞いた」と強調。一方で「途中で見直しても良かったと反省している」とも述べた。 坂野氏は、白紙の領収書を使って政活費約130万円を不正請求したとして、県議の辞職願と離党届を21日に提出している。 坂野氏は当選5回で、昨年から県連代表。それ以前も会計責任者などを歴任していた。■支出基準見直しを 市民団体「政治資金オンブズマン」共同代表の上脇博之神戸学院大教授の話 親族会社が所有する物件に事務所を設け、家賃を政党交付金で支払うことは、違法ではないが、相場より高いので明らかに不適切だ。政務活動費は本来、議会活動に資することに使うもので、県議会に議員控室があるのに、事務所費まで支払うのはおかしい。支出の基準を見直すべきだ。チェックも甘いし、税金の私物化が簡単にできるのが現状だ。◆政党交付金◆ 政党助成法に基づく公的な助成金。政治と特定の企業、団体との癒着を防ぐため1995年から始まった。一定の要件を満たす政党に議員数や得票数に応じて配分される。国民1人当たり250円を負担する計算で、2016年の総額は318億円。民進党には93億円が交付される。政治活動の自由を尊重するため使途の制限は原則ないが、同法は「税金であることに留意し、適切に使用しなければならない」と規定し、使途の報告を求めている。