「西宮まつり」が開かれている兵庫県西宮市社家町の西宮神社で22日、予定されていた神事「渡御(とぎょ)祭」が雨のため中止となり、6年ぶりとなる雨天時の儀式「雨儀(うぎ)渡御本殿祭」が催された。宮司らが神前で渡御祭ができなかったことを報告し、童女が舞を奉納した。終了後には、地元の人形座による新作の物語も披露された。(篠原拓真)

 渡御祭は鳴尾の漁師が、網にかかったえびす神像を持ち帰り、西宮の地で祭ったという伝説に由来する。平安時代から続くとされ、約400年前の織田信長の時代に社領を失い断絶した。

 1954年にみこし行列が市内を巡る「陸渡御」が、2000年には御前浜沖へと海を渡る「海上渡御」が復活。その後毎年催されているが、10年だけは雨で「雨儀渡御本殿祭」になったという。

 この日は、参拝者ら約500人が拝殿に集まった。宮司らがおはらいをし、西宮市用海地区の小学生から選ばれた童女8人が、雅楽演奏に息を合わせ、本殿で舞を奉納した。

 儀式に続き、神社内の会館では、市内を中心に活動する「人形芝居えびす座」が新作劇を演じた。

 渡御祭の伝説を基にした創作物語で、登場する漁師が住んでいたとされる鳴尾地区から選ばれた、芦屋学園高校3年の藤川浩志さん(17)が、漁師役として登場。えびす人形を相手に熱演し、会場の喝采を浴びた。

 舞台は初めてだったという藤川さんは「大きな動きを心掛けた。来年も出演する予定なので、しっかり準備したい」と意気込んだ。