災害時に避難所で被災者らに記してもらうため、兵庫県内の市町が用意する「避難者名簿(避難者カード)」について、兵庫県が統一様式づくりに乗り出している。これまで市町によって、障害や要介護認定の有無、妊娠中かどうかなど、避難所で配慮すべき情報を記入する項目が不ぞろいだった。共通にすることで、個別の事情に応じた物資配分など支援の漏れを防ぐ。

 東日本大震災では、高齢者や障害者、妊婦、乳幼児など「要配慮者」が避難所生活を続けられなくなり、自宅に戻らざるを得ない事例が多かったという。

 このため、内閣府は、避難者名簿で要配慮者を把握するよう要請。県が県内41市町を調査したところ、猪名川町を除く40市町が名簿の様式を整えていた。

 一方で、個別の支援が必要かどうかを知るための項目(自由記述欄は除く)は市町ごとに設定が異なった。項目とその市町数は、要介護認定の有無=16▽障害=14▽病気・けが=13▽妊産婦=8▽アレルギー=2−などと差が生じていた。

 県は統一様式として名前や性別とともに、これらの情報を網羅できる記入欄を設ける方針。災害発生直後の混乱期用に各項目を「○」でチェックできる簡易版と、落ち着いてから、住所や連絡先、必要な医薬品・医療機器など詳しい情報も記せる詳細版をつくる。

 避難者名簿を巡っては、尼崎、伊丹、西脇、小野の各市議が加わる全国の超党派議員グループが、独自に統一様式の作成を進めている。県はこの提案も加味して、今春ごろにも様式案を完成させ、各市町に提示する。

 県は国に全国統一の様式づくりも要望した。県災害対策課は「避難所で配慮が必要な人がいるのを知らないという事態を防ぎ、きめ細やかな支援ができる態勢をつくりたい」としている。(斉藤正志)