兵庫県三木市吉川町の中国自動車道で2月28日夜、90歳男性の軽トラックが約3キロ逆走し、大型トラックと衝突、男性が死亡する事故があった。全国の高速道路上の逆走事案は2015年、過去5年(11〜15年)で最高の259件発生、6割超がインターチェンジ(IC)やサービスエリア(SA)で起きている。各高速道路会社は誤進入を防ぐ看板設置など対策を進めるが、三木のような本線上のUターンケース(26%)への有効な手だてが打てず、頭を悩ませている。(石川 翠)


 国土交通省によると、全国の高速道路では13年143件、14年212件、15年259件の逆走事案が発生。うち2割が事故につながっているという。

 過去5年の特徴を見ると、5割がICやジャンクションで発生▽約7割が65歳以上の高齢者▽15%が認知症の疑いや飲酒の運転者−など。一般道から高速出口側に進入したり、SA・パーキングエリア(PA)で入り口から出たりする“不注意逆走”が大半を占める。

 各高速道路会社は、道路出口に「とまれ 逆走です」「入れません」などの大型看板を設置。路面にも進路を示す大型矢印を描くなど対策に乗り出している。その効果もあり、16年上半期(1〜6月)はIC、SA付近での逆走事故は減少傾向にあるという。

 一方、対策が難しいのは本線上でのUターンケース。高速道路会社の担当者は「予測不可能で、分合流のエリア以外、標識を出すとなると際限がない」と頭を抱える。

 兵庫県内でも2月の三木市の事故は、吉川ICから東行き車線に入った軽トラックが約2キロ走行した本線上でUターン。西へ約3・3キロ逆走後に大型トラックと衝突した。

 昨年8月にも洲本市の神戸淡路鳴門自動車道で軽ワゴン車がUターンし、高速バスなどを巻き込み、5人が負傷する多重事故が起きている。

 国交省の調査では、逆走事案のうち、本線上のUターンは15年68件と全体の26%を占める。26件(18%)だった13年と比較すると2・6倍、比率で8%増加している。

 同省は、カーナビで運転手に逆走を知らせるシステムを開発し、18年度からの実用化を目指す。また、今月12日施行の改正道交法では、75歳以上が逆走などの違反をした場合、臨時の認知機能検査を義務づけた。