熊本地震で損壊した住宅の解体を市町村が実施する「公費解体」の申請が、県内で1万8千棟余りに上り、このうち解体済みは2割弱の約3千棟にとどまっていることが22日、県の集計(9月9日現在)で分かった。

 公費解体は、熊本県甲佐町が6月27日に県内で初めて作業に着手した。現在計26市町村が申請を受け付けている。
 県環境生活部によると、申請棟数は1万8093棟で、このうち解体を終えたのは、被災者が解体した後に補助を受ける自主解体2369棟と、市町村が事業者に委託する行政解体563棟の計2932棟。進捗[しんちょく]率は16・2%だった。

 市町村別にみると、申請棟数は益城町が4785棟で最多。熊本市2714棟、宇城市1705棟、西原村1292棟と続いた。

 一方、解体の進捗率は高い順に、和水町と小国町が100%(和水3棟、小国1棟)、阿蘇市70・9%(546棟)、嘉島町48・2%(327棟)、西原村42・6%(550棟)など。益城町は3・9%(189棟)、熊本市は14・2%(385棟)だった。

 解体がれきを木くずやコンクリートがら、瓦など細かく分別する作業や貴重品の回収に時間を要するのに加え、一時的に集積する市町村の「仮置き場」の容量不足が、公費解体の遅れの要因とみられる。

 県は最終的に約2万9700棟の解体を想定。2018年春までの処理終了を目指しているが、更地になった自宅敷地に家を再建するには、さらに数カ月の時間がかかり、生活再建への影響は避けられそうにない。仮設住宅の入居期間は原則2年だが、県は既に期間の延長を視野に入れている。(並松昭光)