やさしい語り口と笑顔でおなじみ、尾木ママこと教育評論家の尾木直樹先生にママたちのお悩み相談でもとても多いという「しつけ」についてお聞きしました。

ママのイライラは計り知れない!

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“叱らない日なんてない!”というくらい、子どもは無意識にママがイライすることをやってしまうもの。例えば、ティッシュペーパーや紙をビリビリに破って散らかしたり、食べ物を指でこねて投げたり、何をしても“イヤイヤ〜”と泣き叫ぶなど、まだきちんと意思疎通ができない2歳児頃までは、日々そんな状況が続きます。
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少し大きくなったらなったで、言うことを聞かない、きょうだい喧嘩をするなど、ママのイライラは募るばかり。そんなとき、大声を張り上げて叱ってしまうママも多いのではないでしょうか?

叱ること=動物を調教しているのと一緒!?

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「叱っても子どもが感じるのは“恐怖”だけ、子どもの動きは静止できても、それはしつけではなくて、動物を調教しているようなもの。つまり、恐怖心を与えて親の言うことを聞かせているだけで、子どもは意味を理解しているわけではないのです。
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もちろん、やってはいけないことを教えるのは大切なことですが、何も叱らなくても笑顔で教えてあげればいいのです。笑顔で教える方が、叱るよりずっと学習効果が高いということが、脳科学の研究結果でも証明されているのです。」(尾木ママ)
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【尾木ママ流「叱らずほめる! 子育て3カ条」】
1.ママのこわい顔より笑顔のほうが子どもを伸ばす
2.子どもの成長に必要なのは親への安心感
3.ほめる=子どものありのままの姿を認める、と考えて

そうはいってもママだって人間だもの

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頭では“叱りたくない”と思っていても、それがなかなかできない。疲れているときやイライラしているときはなおのこと。つい感情的に叱ってしまうことだってあります。
結果、ママは疲れる、子どもは泣くだけのスパイラルにはまってしまうこともしばしば。ママは、やることがたくさんあって、常にタイムリミットに追われているような状態ですからカッとなる時があるのも当たり前。
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そんなときは、「ゆっくり自分の胸をたたきながら『大丈夫、大丈夫、大丈夫』と声に出してみましょう。回数は最低6回ね。これ、“尾木ママタッピング”と呼んでるの。効果あるから試してみて!」(尾木ママ)。ひと呼吸おいてみるのも効果的なのです。

「お友だちにかみついたのに叱らなくていいの?」

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尾木ママの新刊『尾木ママの叱らずしつけ21のコツ』では、しつけに悩むママたちからの生の声を集め、悩み相談で最も多い項目をピックアップし、世の中のマナーや、やってはいけないことを叱らずに教える、尾木ママ流“叱らずしつけ”とそのコツを解説。
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また、実践編では「お友だちにかみついた!」など実例をあげ、ママたちへのアンケート結果を数値で表すとともに、尾木ママが実例ごとに解説とポイントを伝授。ほかに、イヤイヤ期や祖父母との関わり方、育児のタブー言葉など、自分が知りたい項目がひと目でわかるとともに、かわいらしいイラストが満載。時間のないママでも読みやすくなっています。

叱ることより、共感して絶対的な安心感を育んで

子育てはマニュアルどおりにはいかないことの方が多い。さらには時間がかかります。
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「一歩進んだかと思うと、一瞬にして二歩も三歩も後退します。子育てにイライラも失敗も当たり前。叱りたくなる気持ちもわかりますが、子どもにとって大切なのは、叱ることよりも何よりも、親に愛され、見守られ、つらさにも共感されるという絶対的な安心感です。“失敗してもパパやママは絶対に味方でみてくれるんだ”という安心感が、子どもの豊かな成長の土台になるのです」(尾木ママ)
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誰だって最初は「ママ1年生」、わからないことばかりです。そんなときは、ぜひ、尾木ママ流“叱らずしつけ”をぜひ実践してみてください。ママの気持ちがラクになり、子どもはスクスク育っていくでしょう。
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出典:『尾木ママの叱らずしつけ21のコツ』(尾木直樹/主婦の友社刊)
イラスト/原あいみ(京田クリエーション)
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