航空自衛隊が、各基地の食堂で隊員に提供している鶏の唐揚げの知名度向上に力を入れている。地元の食材を隠し味に使い、ご飯が進む味付けに仕上げた、その名も「空上げ」。一般に定着しつつある「海自カレー」に対抗し、「空自全体でより上を目指す」という願いを込めた。最近は、基地周辺の飲食店で看板メニューとして提供される例も。地域振興にも一役買っているようだ。

 「空上げの日は特にお昼が待ち遠しい。お酒にも合いそう」。3月31日、航空自衛隊岐阜基地(岐阜県各務原市)の隊員食堂。皿にのせられた空上げを前に、3等空曹の道城亮さん(32)が満面の笑みを浮かべた。

 岐阜基地では毎月最終金曜日に各地の空上げを提供。この日は秋田分屯基地(秋田市)で生まれた、ニンニク風味が特長の「NO2029(ニンニク)」が振る舞われ、隊員らは白飯と共にかき込んでいた。

 衣に紅しょうがをまぜ込み、織田信長が好んだとされる赤色に仕上げた岐阜基地発祥の「信長ハイカラ上げ」が出ることも。