【ローマ共同】世界食糧計画(WFP)のグァルニエリ副事務局長は19日、ロシアのウクライナ侵攻や異常気象などさまざまな要因が重なり「食料危機の問題が複雑化している」と懸念を表明、先進7カ国(G7)にさらなる支援を求めた。共同通信のオンライン取材で語った。

 WFPによると、82カ国で約3億4500万人が深刻な食料不足に直面している。グァルニエリ氏は「支援のニーズは増えているが、提供できるリソースは限られている。支援対象を絞らないといけない状況だ」と窮状を訴えた。4月中旬から戦闘が続き、20万人以上が国外に逃れたスーダン情勢にも懸念を示した。

 食料危機は、19日に始まったG7首脳会議(広島サミット)の議題の一つ。「飢餓や食料不足の主な原因である紛争の解決に向け、G7議長国である日本の役割は特に重要だ」と指摘した。

 黒海を通じたウクライナ産穀物輸出の4者合意2カ月延長が17日に発表されたのは「良いニュース」だが、食料価格安定のため「短期間の延長では不十分だ」と述べた。