減少の一途にある琵琶湖の漁師を増やそうと、滋賀県は今月から希望者に向けた漁業体験研修を始める。実際に船に乗り、漁師の仕事の一部を体験してもらう取り組み。琵琶湖の漁業者数はこの40年間で4分の1以下に減っている。このままでは特産品の湖魚の確保や漁業文化の継承が危ぶまれることから、県は就業相談会も開いて琵琶湖漁業の魅力を発信する。

 県水産課によると、琵琶湖の漁業者は1973年時点で2874人いたが、最新の2013年の統計では687人まで減少。13年時点で70歳以上が約40%を占める一方、10〜20代が0・7%、30代は2・5%しかおらず、後継者不足が深刻になっている。

 体験研修は最大延べ10日間、就業希望者が現役の漁師に付いて漁を学ぶ。第1弾として20代と50代の男性計2人が近く大津市の堅田漁協で研修に取り組む予定で、早朝から船に乗り、シジミ漁や外来魚駆除、漁具の手入れを経験する。

 研修に参加する滋賀県立大院生の駒井健也さん(24)=大津市=は「ずっと滋賀に住み、毎日琵琶湖に触れられる仕事に憧れていたので、人手不足を知ってやってみたいと思った。ずっと続く貝引きの技術を身につけたい」と意気込んでいた。

 指導にあたる漁師の村河寛さん(52)は「魚の単価が上がらないと仕事としては厳しいが、やりたいという人が出てくるのはうれしい」と話していた。

 県は、県漁協連合会(大津市におの浜4丁目)に就業に関する相談センターを設置。ウェブサイトも立ち上げ、琵琶湖漁業の概要と研修に関する情報を全国に紹介する。

 20年までに計10人の新規漁業就業者の確保を目標としており、県水産課は「琵琶湖の自然や魚に興味があり、体力がある人に、体験を通して漁師への就業を考えてほしい」と呼び掛けている。

 体験研修などの問い合わせは県漁連TEL077(524)2418。