任天堂が13日に全容を明らかにした新型家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」は、多彩な機能を盛り込んだコントローラーを備え、ゲーム機による遊び方を大きく広げる可能性がアピールされた。スタートダッシュに勢いをつけるため、同時発売のソフトも充実。不振が続く業績の起爆剤となるかが注目される。

 「1人でも大勢でも、いつでもどこでも、時間を選ばずに遊ぶことができる」。東京都内で同日開かれた製品発表会で、開発を主導した高橋伸也取締役はそう力を込めた。

 発表会で特に強調されたのはコントローラー(操作機)の進化だ。従来機に比べて腕の動きや傾きの検知が高精度になり、本体と同時発売するソフト「ワンツースイッチ」では西部劇の一対一の撃ち合いのような遊び方ができる。また、操作機に搭載したカメラでプレーヤーの口の動きを認識し、ホットドッグの大食い競争も仮想体験できる。

 ゲーム誌発行のファミ通グループ代表、浜村弘一カドカワ取締役は「いろいろな遊びができる。娯楽を徹底的に追求したゲーム機だ」と評価した。

 もう一つ、PRに力が入ったのがソフトの品ぞろえ。自社では本体と同時に「ゼルダの伝説」シリーズなど2本を発売し、人気ソフト「スプラトゥーン」を今夏、「スーパーマリオ」を年末ごろにそれぞれ投入すると明らかにした。他のゲーム会社50社も「ドラゴンクエスト」やサッカーゲーム「FIFA」など80本以上を計画すると説明。開発会社幹部が登壇し、「魅力的なゲーム機だ」と期待を示す場面もあった。

 12年に発売した据え置き型ゲーム機「Wii(ウィー) U(ユー)」は当初のソフト不足で普及の勢いが出ず、他社のソフト開発が低調となり失速した。それだけに、今回は他社も含めてソフト開発が順調に進んでいることを消費者に伝える狙いとみられる。

 さらに、ゲームで対戦や協力ができる有料オンラインサービスも今秋に始めるとした。ライバルの「プレイステーション4」は導入済みだが、カドカワの浜村氏も「大きな収益源になる」とみる。

 任天堂の近年の業績は「Wii U」の不振で、2014年3月期まで3期連続の営業赤字だった。16年3月期の営業損益は320億円の黒字だが、君島社長が「任天堂らしい水準」とする1千億円には届いていない。

 スイッチの普及には魅力的なソフトの提供はもちろん、昨年参入したスマートフォン向けゲームとの連動も重要になる。かつてのユーザーやゲーム機で遊んだことがない若年層をスマホゲームで取り込み、「スイッチを買って遊びたい」と思わせられるかが鍵になる。

 スイッチが提案する新たなゲームの遊び方が世界で受け入れられるか。任天堂の底力が試される。