環境は、習慣づけに大きな影響を与えます。まわりの環境を、健康的な習慣を続けるように整えれば、考えなくても健康な食生活を送れるようになれますよ。

今回は、健康な食生活に結び付けるための10の環境づくりをご紹介します。これらの方法を試すだけで健康な食生活を送れますし、健康な食事の準備にかかっていた時間やエネルギーを、他のことに使えるようになります。

とはいえ今回ご紹介する10の方法は、あくまでスタートラインです。今回の方法を応用して、よい習慣をもっともっと増やしていきましょう。

意識せずにヘルシーな食事を摂る方法


今回ご紹介する方法のうち、多くの情報はコーネル大学教授のブライアン・ワンシンク氏に教えてもらいました。ブライアンさんは、周囲の環境が食べ物の選択にどのような影響を与えているか、さまざまな研究をおこなってきました。下記でご紹介する方法の多くは、ブライアンさんの著書Mindless Eatingを参考にしています。


1. 今までより小さい食器を使いましょう

大きなお皿を使うと盛り付ける量も増え、結果としてたくさん食べてしまいます。ワンシンクさんと研究チームの研究結果によると、12インチのお皿から10インチのお皿に変えるだけで、1年に食べる量が22%も減るそうです。「それなら、いつものお皿に盛り付ける量を少なくしよう」と思っているあなた、そんな単純な話ではないんです。下の画像がその理由を説明してくれます。

大きなお皿にいつもより少なめの量をのせると、満足できません。でも、同じ量を小さめのお皿にのせると、満足感を得られます。下の絵の○は実は同じ大きさなのですが、脳とお腹は、同じには見られないのです。



この絵を見ると、少ない量でも小さいお皿にのせれば十分な量に見えるけれど、大きなお皿にのせると、とても少なく見えますよね。


2. 水をよく飲む

私たちの多くが、炭酸飲料やコーヒーを飲みながら作業をします。かわりに、大きなボトルに入った水を、1日中手元に置いておきましょう。のどが渇いた時にすぐ近くにあるので、自然と、あまりヘルシーではない飲み物に手が出なくなります。

私のお気に入りはこのヴェイパーというボトルです。持ち運びがしやすく、コンパクトにまとまるので、1日中手元に置いておけます。


3. お酒や炭酸飲料を飲む量を減らしたいなら、低くて太いコップではなく、細長いコップを使う

これを見てください。縦の線と横の線、どちらのほうが長いですか?



Image via JamesClear.com


実は、どちらも同じ長さなのですが、縦の線のほうが長く感じますよね。つまり、丸くて背の低い飲み物より、背の高い飲み物のほうが、たくさん入っているように見えるのです。背が高いと多く見えるので、細長いコップで飲んだほうが、たくさん飲んだ気分になり、飲む量が少なくなります。細長いコップで飲んだほうが2割、飲む量が少なくなるそうです。


4. 食べ物と対照的な色のお皿を使う

私が過去記事で書いたように、お皿の色が食べ物と似ていると、脳がお皿の上に食事の量を正確にとらえられないため、多めに食べてしまいます。こうした理由から、濃い緑や濃紺のお皿は、パスタやポテトなど薄い色の食べ物をのせると境界線がしっかり分かるので、多く食べないで済みます。その反面、緑の野菜のサラダなどを食べるときは、境界線がうすく、多めに食べてしまうので使わないほうが良いです。


5. 目立つところに、ヘルシーな食べ物を置く

例えば、果物やナッツ類を玄関のドアの近くなど、家を出る前に通る場所に置きましょう。急いでいてお腹がすいているときは、最初に目に入るものを手に取ることが多いからです。


6. 身体によくない食べ物をアルミホイルで包む

昔から「去る者は日々に疎し(ものでも人でも、見られなくなると、心から消え去っていく)」と言いますが、それば食べ物についても言えます。食べるという行為は、ただ食べ物を口に入れるだけではなく、感情にも大きな影響を与えます。私たちは、目に入るものから、食べたいものを決めます。そのため、健康に良くない食べものをホイルで包んで目に入らないようにすると、食べたい気持ちが軽減されます。


7. ヘルシーな食べ物を大きな容器やパックに入れ、健康に良くない食べ物を小さめの容器やパックに入れる

大きな箱や容器は目に入りやすく、台所やパントリーで広いスペースをとります。そのため、大きな箱や容器に入れた食べ物は食べる回数が増えます。一方、小さめの容器に入れたものは、数か月にわたり台所に隠れ、食べずに済むことでしょう(台所で残っているものを見てみると、小さい缶や容器が残っていることに気づくでしょう)。

もし大きな容器入りの健康によくないものを買ってしまったら、小さなジップロックのバッグや容器に詰め替えましょう。そうすることで、一度に大量に食べる確率が低くなります。


8. 「お皿に半分のせる」ルールを活用しながら食事を出す

自炊してご飯を食べるとき、お皿にのせる量の半分に野菜や果物をのせるようにしましょう。そして、残り半分は好きな食べ物をのせましょう。


9. スーパーに買い物に行くときは、外側を回る

これは簡単なルールです。スーパーに買い物に行くときは、内側の通路に行かないようにしましょう。中に入らず、外側だけを回ると、通常、手に入るのは野菜、果物、肉、魚、卵、ナッツなどのヘルシーな食材ばかりです。だから、外側だけ回って買い物をすると、自然にヘルシーな食材を購入することになります。その結果、作って食べるものがヘルシーになるのです。


10. 今までお伝えしてきた方法を、生活全般で活用する


環境デザインを人生に活用する


今までご紹介してきた方法を分析していくと、1つ1つは小さな試みですが、やがて悪い習慣を断ち切り、よい習慣に近づける大きな後押しになっていることに気付くでしょう。

例えば...

―健康に良くない食べ物をアルミホイルで包むことにより、アルミホイルをとって、何があるか確認したあとに食べる、というステップを踏む必要が出てきます(透明なラップで包まれた残りものを見て食べるよりも、ちょっと大変ですね)。

―小さな皿を使うことで、もっと食べたければ、おかわりを取りに行かなければなりません。

同じようなアプローチは、日々の中でどんなことにも活用できます。もし、悪い習慣やめたければ、踏まなければならない過程を増やすのです。

また、良い習慣をより簡単にできるようにしたければ、その習慣をおこなうための過程を減らしましょう。例えば、ランニングに行くのをより手軽にしたければ、前の晩のうちにランニングウエアとシューズを用意しておきましょう。こうすることで、朝すべきことが1つ減ります。


10 Simple Ways to Eat Healthy Without Thinking, Backed by Science| James Clear

James Clear(原文/訳:曽我美穂)
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