Inc.:体を動かすことで、お気に入りのジーンズが履けるようになったり、健康が維持されるだけでなく、気分転換になったり、ストレスを減らしたり、また、頭もスッキリして、よりクリエイティブになれます。要するに、汗を流すことは、心と体の健康を維持するのに良いことなのです。

おそらく、そんなことは言われなくてもよくわかっているでしょう。

多くの人々を迷わせているのは、なぜジムに行くべきなのかという問いかけではなく、活動的であり続けることの重要性を熟知しているのにも関わらず、運動するのが億劫になってしまうという事実です。立派な心構えを持ち、ちまたには健康問題への警鐘が溢れているのにもかかわらず、非常に多くの人が定期的に体を動かそうと実行に移すことに未だに苦労しているようです。

怠け癖は人間の本質であり、欠点ではない


定期的に運動する習慣をもつことに苦労しているのであれば、Jonathan Shaw氏による「Harvard Magazine」の最近の記事に慰められることでしょう。こちらは、ハーバード大の進化生物学者、Daniel Lieberman氏の研究を特集したもので、彼の先駆的な研究によると、ソファーに寝そべったまま動かず、テレビなどを見てだらだらと過ごすライフスタイルはその人に非があるのではなく、進化により人間は実は生まれつき怠ける傾向があるのだそうです。

食品が不足している社会では、気晴らしにジョギングに出かけることは不適応な行為です。貴重なカロリーの無駄になります。そのため、私たちの祖先たちはエネルギーを節約するためにできるだけ多くの休息をとるように進化しました。彼らは獲物を追いかけたり、天敵から逃れるために、私たちよりもはるかに、必要に迫られて体を動かしてきました。

「狩猟採集民が、ジョギングすることだけを目的にジョギングに出かけることはありません。私の個人的な経験からもそのように言い切れます。彼らは食料を探しに、仕事をするめに出かけていくのであり、それ以外の目的で外に出ていくのは賢明ではないのです」。とLieberman氏はShaw氏に語っています。


ダラダラと無駄に時間を過ごすのは体に良くない


無益に過ごすことがエネルギーの節約になることは、これまでの人類の歴史の数百万年の間では当然のことでした。しかし、ソファから立ち上がることなく適量以上に食べ物が摂取可能である現代社会では、健康を脅かす行為となります。それは怠けることで体重が増加するという問題だけではないのです。

Lieberman氏によると、人間の体は「運動することが必須であり、怠ける時間はあまりない環境」で生きていくために最適化されています。体を動かさなければ(エネルギーを温存するために)体の主要器官は機能しなくなります。筋肉は落ち、骨の修復も遅くなります。太古の昔はこのメカニズムで良かったのですが、現代は劇的に違います。Shaw氏は懸念し因果関係を挙げながら、以下のように説明します。

運動なしで生活できたことは、これまでの人間の歴史に存在しませんでした。文字通り、体を動かすことは生活環境の一部だったのです。その結果として、身体活動が行われない状況下ではエネルギー消費を減らそうとする体のメカニズムにより、現在、多くの疾患が現れているのです。心臓病、糖尿病、骨粗しょう症、および現代の生活習慣病は、エネルギー需要を調整する手段として進化した適応の結果であり、現代医学は、それら症状の治療に行き詰っています。

この記事の結論は、ソファから腰を上げることが信じられないくらいに難しいと感じることがあっても、自分だけを責める必要はないということです。ライオンに追われる時だけ走り出せるように、人間は進化の過程でプログラムされています。そして、私たちはライオンがそばにいるような環境で暮らしていません。ですが、真剣に体を動かす習慣を持てるように努力する必要があるのです。


The Scientific Reason It's So Hard to Make Yourself Go to the Gym|Inc.

Jessica Stillman(訳:コニャック)
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