「自分はそれなりに知的でまともな大人なはずなのに、どうしてドアを開けるというような基本的なことでつまづき続けるのだろう?」と思ったことがあるかもしれません。ご心配なく、「勘違いさせるようなデザインのドア」のせいです。

「Vox」では、私たちはドアを開けるときに、無意識のうちにデザイン上の手がかりを探していると言います。押すためのバーが付いているドアを、引いて開けようとするような勘違いはしないと思います。それは、そのドアがとてもわかりやすいデザインだからです。しかし、他の機能を強調するようなデザインのせいで、勘違いさせてくるドアもあります。


このようなデザインの悪いドアは、デザイナーであり作家であるドン・ノーマンにちなんで"ノーマンのドア"と言われています。ノーマンは、『誰のためのデザイン?ー認知科学者のデザイン原論』という著書の中で、「良いデザインのドアは開け方を示すようなサインが必要ない」と言っています。一目見ただけで、どのように開けるかわかるのです。

残念ながら、すべてのドアが良いデザインではありません。例えば、オフィスビルなどで、大きな縦のハンドルが両側に付いたガラス張りのドアを見たことがあるでしょう。ハンドルがあるので、ドアを引いて開けようとするかもしれませんが、少なくともどちらか一方は引いても開きません。

この手のハンドルは、ガラスのドアに手が触れないようにするため、もしくはある種のデザイン美学から付けられているのだと思いますが、そのせいで使う人を混乱させるという犠牲を払っています。サイン(押す、引く、など)があれば助かりますが、自分だけでなく他の人も定期的に開け方を勘違いするドアがあれば、それはドアに問題があります。ドアのデザインが良くないだけです。


It's not you. Bad doors are everywhere. | Vox

Eric Ravenscraft(原文/訳:的野裕子)