Inc.:とうとう、AIがポップソングをつくる時代になりました。

と言っても、ケイティ・ペリーやジャスティン・ビーバーが、仕事が奪われる恐怖を感じる必要はありません。しかし、レベッカ・ブラックの「フライデー」がYouTubeで10億回再生されるような時代です。AIがつくった曲も「悪くないね」と「すごくいいじゃん」の中間くらいになってきています。

パリを拠点とするソニーのコンピュータ・サイエンス・ラボのプロジェクト「Flow Machines」では、AIを使って作曲をしました。Flow MachinesのWebサイトによると、AIは13,000もの音楽サンプルの大きなデータベースを分析し、それから特定のスタイルで曲をつくりました。最初にリリースされた曲「Daddy's Car」は、システムによるとビートルズのようなスタイルで曲を作ったのだそうです。


確かに、ポップで心地良いビートルズ風の曲に仕上がっています。また、とても人間的で今どきの感じの曲です。YouTubeでは、最近の(人間の)インディーズのエレクトログループ「Tame Impala」の楽曲と比較するコメントも散見します。

この曲を初めて聴いた時、「Every day I go to work downtown / I'm drowning in the traffic jam(毎日街に仕事に行く/交通渋滞にやられている)」という普通の歌詞に、思わず驚いて引きつけられました。その後は「Please mother drive me again in your car / There's nothing here, nothing there and everywhere(母さん車でまた連れて行ってよ/ここにも、そこにも、どこにも何もないよ)」と続きます。なかなかシニカルなこの歌詞は、フランス人作曲家が書いたものです。

AIが、人間のミュージシャンと取って代わるような時代がすぐに来るとは思えません。それに、この「Daddy's Car」も人間が編曲をしなければなりませんでした。しかし、AIが人間と同じような芸術的作品をつくるようになったというのは、かなり注目すべきことです。

この曲はコンピュータがつくった初めての曲ではありません。ソニーは、AIでジャズの作曲も実験しています。また、「Brain.fm」では、リスナーが心地よくなったり集中できるような曲を、AIでつくっています。実際、アメリカのオリンピックのレスリング代表チームは、今年のリオ・オリンピックの試合の準備のためにBrain.fmを使っていました。

何はともあれ、上の動画でコンピュータがつくった曲を聴いてみてください。「Quartz」によると、ソニーはすべてAIの作曲によるアルバムを、来年発表したいと考えているようです。


Artificial Intelligence Wrote a Pop Song, and It's Better Than You Think|Inc.

Kevin J. Ryan(訳:的野裕子)
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