旅先でのメール対応が必要な人もいれば、誰もがうらやむデジタルノマドとして、どこでも働けるスタイルを実践している人もいるでしょう。どんなシナリオであれ、旅と仕事を同時進行するには、バランスを取るための努力が必要です。以下に、その方法を紹介します。

タスクを前倒しする


早めに着手できる仕事や、自分でスケジュールを決められる仕事なら、出発前にできるだけ終わらせておくようにしましょう。旅立つ1週間前から、通常業務に加えて毎日2時間程度の残業を自分に課すのです。そうすることで、旅先での時間のバッファーが確保されます。もちろん旅先でも、締切や優先順位を常に意識しておくことは必要です。

私の場合、旅先で時間に余裕があることがわかっていても、できるだけ早めに仕事を終わらせておくように心がけています。現地で何が起こるかはわかりませんから。このように、前倒しは私にとって最強のソリューションですが、完ぺきではありません。

たとえば、前倒ししすぎるとどうなるでしょう。記事を1、2本書いておくだけならまだしも、1週間分の仕事を丸々先にやってしまおうとすれば、旅の前にストレスを溜めてしまいます。しかも、たいていの場合すべてを終えることはできません。その結果、旅先で仕事が頭から離れず、せっかくの旅が台無しになってしまいます。

ですから、時間予算を考慮して、前倒しする仕事量をしっかり考えておきましょう。旅の間どれだけの時間を仕事に割けるかを計算し、それを通常のスケジュールから差し引いた残りを前倒しするのです。筆者は先日旅から帰ってきましたが、旅先では週に28時間働けるだろうと予想されました。普段は週40時間働いているので、12時間分前倒しすればいい計算になります。そこで、週末にフルで働くことでその分をまかないました。


最適なフライトを


時差ボケに仕事や旅を妨害されたくありませんよね。ですから、スケジュールに合ったフライトを探しましょう。機内での時間を戦略的に過ごすことも大事です。寝るもよし、働くもよし。ビジネスサイト「Unreasonble.is」には、このように書かれていました。


時差を考慮して航空券を買うようにするのがコツです。たとえば、米国からロンドンに飛ぶとします。時差は7時間。その場合、早朝のフライトがいいことに私は気が付きました。飛行機に乗るまで睡眠を我慢し(朝7時か8時ごろまで徹夜で仕事をし)、フライト中はぐっすり眠ります。現地時間の朝に到着するので、ばっちり目が覚めて準備は万端。出発前に仕事をがっつりやって、機内で一休みして、ちょうどいい時間帯に到着するという素晴らしい方法です。帰りのフライトでも、同じことが可能です。


ほかにも、考慮しておくべき要素が2つほどあります。1つ目、オンラインでなければならない時間帯があるなら、それを考慮すべし。たとえば上司から午前7時〜11時の間はコンピュータの前にいるように言われているなら、フライトはそのあとにするか、少なくともWiFiが飛んでいるフライトを選びましょう。午前中に仕事がはかどる人は、午前9時に到着するフライトは避けたほうが無難です。空港を出るのに数時間かかり、せっかくの生産性が無駄になってしまいます。

そもそも旅と仕事の両立で時間が少ないのですから、フライトの予約と機内での過ごし方には戦略的にならなければなりません。


周囲に知らせる


旅先で働くとは言え、不在時の自動返信は設定しておいたほうが無難です。すぐに返事ができないこと、あるいはいつ返事ができるのかを知らせることができるからです。

自動返信には、対応できる時間帯、返事に要する時間、オフィスに戻る時期などを書きます。完全なオフではなくても、ある程度返信が遅くなると通知することは大切です。

こうすることで、仕事量を抑える効果もあります。オフィスにいないことがわかれば、大きな仕事を無茶ぶりされる可能性が減り、またあなた自身も、すぐに返信しなければというプレッシャーから解放されるでしょう。おかげでメール対応に追われずに済み、やるべきことを進め、行きたいところに行けるはずです。メールには、返りのフライトで対応しましょう。


境界線を引く


何カ月もの間、旅をしながら働いていた米Lifehackerのステファニー・リーによると、大切なのは境界線を引くこと。彼女の場合、正午までは仕事、それ以降は外出と決めていたそうです。それと、1週間に1日は好きなことをする日を定めていました。仕事中にスケジュールを破りたくなっても、その1日があると思うだけで、仕事に集中できたとのことです。

新しい場所にいると、仕事を忘れて探検したくなるのは無理もありません。一方で、仕事をし過ぎれば旅を楽しむ時間がなくなります。スケジュールを厳守することで、両方のいいとこどりが可能です。当然、旅先では予期せぬことが起こります。電車を間違えて、戻るのに1時間かかってしまうかもしれません。大学時代の友人が近くに住んでいることが判明し、一緒にお酒を飲むこともあるでしょう。そのためにも、スケジュールにはある程度のバッファーを用意しておくといいでしょう。2時間ぐらいのロスがあっても、仕事を終えられるようにスケジュールを組むのです。


最適なツールを持参する


先日の旅では、私のラップトップのWiFiが不調で、対応にかなりの時間を要しました。おかげで仕事の時間が減り、イライラしたのは言うまでもありません。

それは同時に、目的に合ったツールというものは、人生を楽にしてくれるのだなと気づかせてくれた出来事でもありました。たとえば、以下のようなツールは非常に便利です。

モバイルホットスポット:(スマホでテザリングしない場合)どこでもオンラインになれます。モバイルバッテリーパック:出先の充電を気にしないで済みます。ケーブルショートナー:ヘッドフォンや充電器のケーブルが絡まないように。Grid-It:ツールの整理に。

トラベル用のガジェットはいくらでも出ていますし、人によってニーズは大きく異なります。その中でも、一般的に役立ちそうなものを上で紹介しました。旅先で大活躍するのは間違いないでしょう。


空き時間を有効活用する


旅先では、できるだけ時間を最適化して仕事とレジャーを進めたいものです。たとえば、こんな方法があります。

地下鉄や列車の中でメールをチェックする。誰かと旅をしているなら、相手が準備をしている間に仕事を進める。ホテルから近場のアトラクションに歩いている間に電話に出る。

でも、やり過ぎは禁物です。昨年パートナーと旅をしたとき、レストランの待ち時間やホテルに戻る道のりなど、隙をみてはしょっちゅう電話をしていたので、彼が拗ねてしまいました。でも、正しいのは彼の方です。相手に対して失礼なだけでなく、私自身、旅を楽しめていなかった。つまり、ここでも境界線を引くことが大事です。何を「空き時間」と考え、その間にどの仕事を終えるのかを、あらかじめ決めておきましょう。誰かと旅をする場合、そのルールをきちんと伝えておくことで、相手も納得してくれるはずです。

最後に、私が旅先で好きな働き方をお伝えします。それは、ホテルから出て仕事をすること。部屋にこもってルームサービスを取りながら働いたり、ビジネスセンターを見つけて働くのは楽かもしれません。でも、近所のカフェやバーに繰り出して仕事をすれば、その町の空気を感じられます。仕事を進めながら、新しい土地を探索できるのです。

最初は両方のアクティビティのバランスを取るのに苦労するかもしれませんが、コツをつかんでしまえば大丈夫。事前にちょっとした計画をするだけで、旅と仕事の相性はバッチリ高まるのです。


Kristin Wong(原文/訳:堀込泰三)
Photo by Wilerson S Andrade