NHK大河ドラマ『真田丸』を放送直後にワンポイント解説する人気連載シリーズ。今回は、大坂の陣の直接の原因ともなった「方広寺鐘銘事件」について。多くの家臣を抱え、修羅場をくぐり抜けてきた家康が、方広寺の鐘銘ごときに言いがかりをつけて開戦にまで持ち込もうとしたのはあまりに不自然です。しかし、そこには年老いた家康の、切ない「親心」が隠されていました。

今回のワンポイント解説(10月16日)

方広寺の鐘銘に言いがかりをつけて、豊臣家との開戦に持ちこもうとする家康のやり方は、かなり強引な印象がある。慶長19年(1614)の時点で家康は72才だから、自分の持ち時間が残り少ないのを感じてのことだろう。

自分が生きているうちに、豊臣家を潰してしまおう…家康がそう考えた背景には、実は関ヶ原での苦い勝利があった。関ヶ原合戦の結果、豊臣系の大名が大きな領地を持つことになり、徳川家 の一族と家臣で全国を支配することができなくなった。なぜ、そうなったかといえば、秀忠が決戦に参加できなかったからだ。

思い出してみよう。かつて北条氏政が氏直に、織田信長が信忠に、豊臣秀吉が秀次に、権力を継承したケースを。彼らは、後継者に本家の家督を譲って、自身はグループ全体の総帥におさまり、軍事・政治の実績を積ませていった。家康も、基本的には同じ方式で秀忠に権力を継承しようとしていたことがわかるだろう。

しかし、関ヶ原に参戦できなかった秀忠は、軍事的な実績をつむ機会を失ってしまった。そして、 慶長19年の時点においても、秀忠の軍事指揮官としての能力は未知数のままだったのだ。全国の大名たちが頭を下げているのは、「征夷大将軍」という秀忠の肩書に対してではない。決戦に勝った家康が、いちばん強い者として君臨しているからなのだ。

もし、このまま家康が他界して、そののちに徳川家と豊臣家の間で戦争が起きたとしたら。全国の大名たちは、はたして秀忠の指揮にしたがうだろうか。わけても、いまだ秀頼に臣下の礼を取っている豊臣系の大名たちは、どう動くだろうか。

はたして秀忠は、機先を制して徳川優位の状況をつくりだせるだろうか。あるいは、両軍が対峙している時に、豊臣方が巧妙な動きを見せたり、徳川方にミスが出たりして、徳川方がピンチに陥った時。秀忠は、はたして的確に対処できるのだろうか。

実績のない秀忠の指揮に従っていたのでは、勝てないかもしれない…大名たちがそんな不安にひとたび取りつかれたら。関ヶ原合戦だって、勝敗を決定的に分けたのは、寝返りなのだ。 そう考えた時、家康は自分の体が動くうちに豊臣家を滅ぼして、秀忠に勝利をプレゼントするしかない、と思い至ったのであろう。(西股総生)

《今週のワンポイントイラスト》
大坂城。足軽として有象無象もいっぱい集まったはずだけど…!?(みかめ)

 

文・絵/TEAM ナワバリング(西股総生・みかめゆきよみ)

ナワバリスト(城郭研究家)の西股総生率いる、お城(主に山の城)と縄張りを愛する3人組

 

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★イベント情報★

◎10月20日(木)19:00〜 「ちゃらぽこ六文銭裏講座」では、関ヶ原合戦の戦後処理と徳川家康の覇権確立を中心に、昌幸の残した軍略などについても語る予定。

◎12月17日(土)新府城&谷戸城(山梨県)~クラブツーリズム日帰りバスツアー 

最終回直前企画です!ドラマの最初の舞台となった新府城を歩きながら、幸村の成長の軌跡をいっしょにふり返ってみませんか?

旅行代金 15,500 円(昼食付)

コース番号 03337-098 でお問い合わせ下さい。

◎12月23日(金)

トークイベント「信繁と幸村の 2016 年をふり返る」

大坂の陣は、ドラマではどのように描かれるのか? 史実としての信繁と、サブカルとしての幸村、 ドラマに登場した城と合戦など、裏話も交えながら楽しく語ります。

第 1 部「今こそ語りたい第2次上田合戦と大坂の陣」…西股総生

第 2 部「サブカルで楽しむ歴史とドラマ」…西股総生・みかめゆきよみ・磯部深雪

場所 : 新宿クラブツーリズム(新宿アイランドウィングビル)

コース番号
第1部 C2021-098 入場料 1,000 円 

第2部 C20212-098 入場料 500 円

◎1 月 15 日(日) クラブツーリズム 小倉城(埼玉県)~日帰り現地集合・現地解散 戦国の石積みで知られる小倉城ですが、占地と縄張りの意味を読み解きながら、いつ・誰がこの 場所に城を築いたのか、考えます。山歩きのできる靴と服装でご参加下さい。
旅行代金 5,500 円

コース番号 03339-098 でお問い合わせ下さい

★『図解・戦国の城がいちばんよくわかる本』 KK ベストセラーズから発売中 

★『復元イラストで見る「東国の城」の進化と歴史』河出書房新社から発売中

★『真田丸』がより一層楽しめる4コマ漫画、『ふぅ〜ん、真田丸』発売中

今週の『真田丸』SNS反応【編集部まとめ】


春の「わたくしも戦います」に、信繁の「それはならぬ!!!」
梅ちゃんをまだ忘れてなかった。当たり前だけど、妻を失った戦いは信繁の心に深く残っている。#真田丸

— ぬえ (@yosinotennin) 2016年10月16日


しかしこの脚本は「大坂の陣が本番である」ことをきちんと意識しつつ助走でここまで面白くさせたんだからすごいよな。 #真田丸

— tadataru (@tadataru) 2016年10月16日


大野治長や信繁の兵糧収集案が、購入か略奪のどちらかしか無かったのは、豊臣家は領内からの年貢収集まで徳川から派遣される代官に頼っていたため、徳川に反抗すると、それを取り込むことができなくなったから、というのも表しているのかも #真田丸

— まとめ管理人 (@1059kanri) 2016年10月16日


#真田丸 思えば「関ヶ原」の石田三成率いる『10万』と、大阪の陣の豊臣秀頼率いる『10万』の頼もしさの違いよ……、兵というものは将兵だけでなく士官下士官といった、中級指揮官の存在がでけーんだよな……。いくら士気高くても、これは覆らない。

— 地雷魚 (@Jiraygyo) 2016年10月16日


ああー、幸村の超変身でこれは勝つると思ったけど、大野のこの表情と態度で(負ける…)と思わせるの上手い #真田丸

— 蓮花茶on ICE@実況中 (@lotusteajikkyou) 2016年10月16日


このちょっとキモい鳥が「結び雁金」という真田家の家紋である #真田丸 pic.twitter.com/lO5Y9U16Fy

— Simon_Sin (@Simon_Sin) 2016年10月16日


ハローワーク大坂城。 #真田丸

— tadataru (@tadataru) 2016年10月16日


真田丸第41回1614年
真田信繁47歳
真田信幸48歳
真田大助13歳
真田信吉19歳
真田信政17歳
矢沢頼幸61歳
羽柴秀頼21歳
大野治長45歳
明石全登48歳
毛利勝永36歳
後藤又兵衛54歳
木村重成21歳#nhk #真田丸

— くろま@おいでよ真田丸の沼 (@kuroma_9) 2016年10月16日


稲様、御立派!自分の息子が「未熟」としっかり理解したうえで「一月とはいえ兄は兄」ときっぱりと信之に談判する。「本多平八郎の娘」であり、「真田伊豆守の妻」であり、間違いなく「真田の女」の本領発揮。 #真田丸

— もも。 (@T_Momobayashi) 2016年10月16日


私が今まで集めてきた事柄から自分なりに判断すると、徳川家康が豊臣家を本気で滅ぼそうとしていたとはどうしても思えないのです。ところが望まぬ戦争が起こってしまい、結果として豊臣は滅びてしまった。今日の「真田丸」で描かれていた家康は、とても共感できるものでした。 #真田丸

— 岡本永義 (@o_nagayoshi) 2016年10月16日


マジで今の大阪城首脳陣は豊臣の栄華しか知らんのだ。どうやってあの絢爛豪華に輝く大坂城を築けたのか、羽柴秀吉がたった一代で「豊臣」を築いていってのか。その過程を知る者たちが残ってないんだ…。これは滅びるしかないよの  #真田丸

— 賽芙/爆死の覚悟はできている (@saifuyou) 2016年10月16日


長兵衛も幸村も、お寺に一例して去るのが、高野山だからこその御寺への信仰、礼儀もあるんだろうけど、お互いの感謝とか応援する思いとかが伝わってきていいね。14年の歳月で培った信頼関係が見えて。 #真田丸

— m_squirrel28 (@m_squirrel28) 2016年10月16日


私もあそこで「稲の養子とする」というセリフを聞いた時、「3つの説が全部揃った」って思いました。さすが三谷さんだなと。#真田丸 https://t.co/K2zwz4wrDL

— さくらこ@おこう(清音院殿)付侍女頭 (@benny_ayame) 2016年10月16日


信之の流れを引く松代真田家は、この後130年くらい、後継問題やら藩の財政難(真田騒動)やらでドタバタが続きます。
信之お兄ちゃんは隠居しても再び表舞台に引っ張り出され、死んだ後も藩内は揉め続け、たぶんあの世でも全然心は休まりません…#真田丸

— ゆーにー (@SBmeganekarubi) 2016年10月16日


これか!> 真田家の雁金踊りからの逃走シーンが戦国サウンドオブミュージックだと話題に #真田丸 – NAVER まとめ https://t.co/LlIrsHYux7

— MORI Tomoya (@moritomoya) 2016年10月16日


回想まったくないのに即梅ちゃんのことと分かる、分かると踏んであえて冗長な回想を入れない、作者と視聴者との信頼のなせる大英断シーンだったと思う>RT #真田丸

— 由良@長松推し (@yura_tmk) 2016年10月16日

出典元:まぐまぐニュース!