◇元幹部3人を詐欺罪などで刑事訴追 司法省捜査は終了へ

 【ワシントン清水憲司】米司法省は13日、自動車部品大手タカタの欠陥エアバッグ問題で、タカタが詐欺の罪を認め、自動車メーカーへの賠償金や罰金など10億ドル(約1140億円)を支払うことで和解したと発表した。元幹部3人を詐欺罪などで刑事訴追したことも明らかにした。タカタが欠陥に気づきながら、自動車会社を欺き、エアバッグの販売を続けたことが詐欺にあたると判断した。司法省によるタカタや米子会社への捜査はこれで終了する。

 司法省は声明で「10年以上も繰り返し、組織的に試験データを改ざんし、安全性よりも利益と生産スケジュールを優先させていた」と厳しく批判した。

 発表によると、タカタは2000年ごろから、エアバッグを起動させる薬剤に硝酸アンモニウムを使った製品が、想定通りに起動しなかったり、試験中に不具合が起こったりすることを認識しながら、虚偽の試験データを示し、自動車会社に購入を働きかけていた。

 また、タカタ幹部らは日常的に虚偽データについて協議していたほか、死傷者が出始めた後も正確なデータを提供せず、上級幹部らも虚偽を認識しながら、15年まで対処しなかった。司法省は詐欺にあたると判断し、タカタも認めた。

 タカタは罰金2500万ドルを支払うほか、リコール(回収・無償修理)費用など自動車会社への賠償基金に8億5000万ドル、被害者救済の基金に1億2500万ドルを拠出する。

 訴追されたのは、タナカ・シンイチ(59)▽ナカジマ・ヒデオ(65)▽チカライシ・ツネオ(61)の3人。米メディアによると、このうちタナカ氏は元調達担当執行役員という。司法省は、3人以外のタカタ幹部ら個人への刑事責任追及は続ける方針。

 これを受けタカタは「今回の和解は司法省の捜査を完全に決着させるものだ。このような結果を招き、深く後悔している」との声明を発表した。経営立て直しに向けた支援に応じる企業の選定を進めており、高田重久会長兼最高経営責任者(CEO)は「投資を確保するうえで重要な節目だ」とのコメントを出し、選定作業を後押しするとの認識を示した。

 タカタの欠陥エアバッグは作動時に異常に大きな爆発が起き、内部の金属片が飛び散ることで米国内で11人が死亡。日米欧の自動車会社の約4200万台が対象となる米史上最大のリコールとなった。