自動車部品大手タカタの欠陥エアバッグ問題で、米司法省は13日、タカタが詐欺の罪を認め、賠償金や罰金など10億ドル(約1140億円)を支払うことで和解したと発表した。司法省の捜査終了により、タカタは経営再建に向けた懸案のスポンサー企業選びを加速させたい考えだが、被害者による集団訴訟の行方など不透明な要素も残っており、すんなり再建に向かうかは見通せない。

 発表によると、タカタは罰金2500万ドルを支払うほか、リコール(回収・無償修理)費用など自動車会社への賠償に8億5000万ドル、被害者救済に1億2500万ドルを拠出する。

 詐欺と認定されたのは、タカタが10年以上にわたり、エアバッグが想定通りに作動しないなどの欠陥を認識しながら試験データの改ざんを繰り返し、虚偽の情報に基づいて自動車会社にエアバッグを販売していたためだ。

 司法省はタナカ・シンイチ(59)▽ナカジマ・ヒデオ(65)▽チカライシ・ツネオ(61)−−のタカタ元幹部3氏を刑事訴追したことも発表。3人以外の幹部ら個人への刑事責任追及は続ける方針だ。米国内だけでも11人が死亡し、組織的な改ざん行為も認定されたことで、タカタの信頼が更に傷つくのは必至だ。

 一方、司法省との和解はタカタにとって、懸案の再建計画作りを進めるための節目にもなる。罰金などが確定して財務上の不安定要素が減ることで、タカタへの支援を検討している企業は、救済に必要な金額を計算しやすくなるためだ。

 スポンサー企業選びでは、複数のメーカーや投資ファンドなどが名乗りを上げており、そのうち化学大手ダイセルとスウェーデンの部品大手オートリブが有力と見られている。高田重久会長兼最高経営責任者(CEO)は13日、「(司法省との和解は)タカタへの投資を確保するうえで重要な節目だ」とのコメントを発表し、スポンサー選定の加速に期待感を示した。タカタは3月中の決定を目指している模様だ。

 ただ、米国内のリコール対象は米史上最多の約4200万台に上る。リコール作業が終わった台数は34%に過ぎず、全てが終わる時期は見通せない。リコール費用の総額は和解に伴う拠出金を大きく上回る1兆円とされ、負担割合をめぐる自動車各社との協議も未決着だ。損害賠償を求める被害者からの集団訴訟も抱えている。こうしたリスクを踏まえ、スポンサー企業が支援の最終決定に二の足を踏む可能性もある。【宮島寛、ワシントン清水憲司】