政府は23日、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」を設置し、メンバーに経団連の今井敬名誉会長(86)ら6人を起用すると発表した。安倍晋三首相は26日召集の臨時国会の所信表明演説で、天皇陛下の生前退位について有識者会議で議論することを表明する意向で、来月中旬に初会合を開く。

 メンバーには今井氏のほか、小幡(おばた)純子上智大法科大学院教授(58)▽清家(せいけ)篤慶応義塾長(62)▽御厨(みくりや)貴東京大名誉教授(65)▽宮崎緑千葉商科大教授(58)▽山内昌之東京大名誉教授(69)−−が就任する。関係者によると、座長には今井氏が就く見通しだ。

 有識者会議では象徴としての天皇のあり方や、生前退位の制度を創設する具体的な方法が議論される。会議は6人のメンバーに加えて、毎回、憲法や皇室の専門家を招いて意見を聴取することを検討している。会議は非公開となるが、議論の内容については事後に公表する方針だ。

 政府は有識者会議の議論を踏まえ、生前退位に関する方針を決定する。早ければ関連法案を来年の通常国会に提出して成立を目指す。菅義偉官房長官は23日午前の記者会見で「専門的知見を有する方からヒアリングを行い、課題や問題点を整理して国民に伝え、国民の幅広い意見を反映した提言を取りまとめていただく」と語った。

 陛下は先月8日に生前退位の意向がにじむおことばをビデオメッセージで表明された。政府がこれを受けた形で生前退位について検討に入った場合、天皇が国政に関わることを禁じた憲法との整合性が問われる可能性があった。政府は、国民の代表の意見を踏まえて検討する形を取るため、有識者会議の設置が必要と判断した。【松井豊】

 ◇有識者会議に起用されたメンバー(○は座長就任予定)

今井  敬(86)○経団連名誉会長、新日鉄住金名誉会長

御厨  貴(65) 東京大名誉教授、政治学者

宮崎  緑(58) 千葉商科大教授、元NHKキャスター

山内 昌之(69) 東京大名誉教授、国家安全保障局顧問

清家  篤(62) 慶応義塾長、内閣府経済社会総合研究所名誉所長

小幡 純子(58) 上智大法科大学院教授、元消費者委員会委員

(敬称略)