◇「歴代市場長が変更を知らない」は無責任体制

 −−歴代の都中央卸売市場長5人は(盛り土に関する)変更を知らなかったとの報道があるが、部署のトップがそういう状態にあるということについてどう受け止めるか。

 小池知事 (リオパラリンピック閉会式出席のため)留守中の話で、つぶさに報道を見ていたわけではありません。(新聞や雑誌などの)紙面も十分なチェックができたわけではないですが、東京から(リオデジャネイロに)もたらされた情報は、質問の通りだったかと思います。

 2006年の市場長から現在の岸本(良一・都中央卸売市場長)さんに至るまでの5人の方ですが、これこそガバナンスと縦割りの問題と、「誰のお金でやっていて、誰のための市場なのか」という点で、きつい言葉で言えば、「無責任体制」と言わざるを得ないと思います。誰が犯人とか、誰が悪いということのピンポイントの特定はできないことはないと思いますが、そのことが目的ではありません。目的の一つではありますが、そういう形で都政が不透明だったことをこれからも続けていくんですか、ということが問われていると思います。

 前も申し上げましたが、座右の書が「失敗の本質−日本軍の組織論的研究」というタイトルで、名著とされている本ですが、ミッドウェー海戦からガダルカナルまで、日本軍がいかにして負けたかが書かれた本ですが、言い方は先人に失礼とは思いますが、経営書としても面白い。それぞれ「何をどうして間違ったか」というのは、大体の失敗に共通することで、要は楽観主義、陸軍と海軍の縦割り、兵力の逐次投入とかですね。こういうことで日本は敗戦につながっていくわけです。

 都庁は敗戦するわけにはいきません。それは都民の皆さんの命や、食も預かっているので。そういう意味で5人の市場長は率直に言っていると思いますが、「その辺りの責任をどのくらい感じているのか」「それをどうやって後輩のために生かしていくのか」について関心があります。

 −−当初、知事は(内部調査の結果公開を)「リオデジャネイロから帰国するまで」と期限を決めていたが、きょうは「9月中」になった。見方によっては、寛大な処置かなと思う。普通の組織であれば、局議の内容や外部との接触などはヒアリングしなくても、記録が残っていてしかるべきだ。記録の面でどのような報告を受けたか。また、期限が守られていない点についてはどのように考えているか。

 小池知事 (リオデジャネイロへの)出発前に言葉が足りなかったかもしれません。調べる量は膨大だと承知していたので、基本的には帰ってくるまでにまとめるのはある種の中間報告のつもりでいました。28日に所信表明があるので、それまでにということでその区切り(だったが)、それを2日ほど延ばしたということです。それだけに最終的に上がってくる報告書に関しては意味があるものにしなければ、それこそ意味が無いと思っています。先ほども報告を受けましたが、より詳細なものにしますと言っていたので、期待したいです。

 さまざまな記録が残っているはずで、本当にどこまで残しているかも見てみないと分からないかと思います。それらを凝縮した形が、今は私のところに上がってきているものだと思います。

 ◇安全か否か早期に結論 環境アセスやり直しなら15カ月必要

 −−盛り土問題で、都の環境アセスメントの評価書は、敷地全体で盛り土を行うという形で中央卸売市場が環境局に提出している。この書類の大幅な変更はかなり時間がかかると聞いているが、これについてどのような対応を取るか。

 小池知事 有識者会議と、その後の小島(敏郎)座長の(市場問題)プロジェクトチーム(PT)には、結論をできるだけ早い時期に出して「どこまで安全なのか、否か」を検討していただくことになっています。一般論として環境アセスメントというのは、中央卸売市場の盛り土の問題が出てきた場合、内容に応じて変更届を出さないといけない。変更届の提出から、やり直しをいるのか、いらないのかについての検討に要する期間がおおよそ1カ月くらい。そもそも環境アセスメントのやり直しが必要とすれば、一般論では1年と3カ月、15カ月程度になるかと思います。いずれにしても、PT、有識者会議の科学的な知見に基づいた判断をもらうことになります。

 −−豊洲市場の安全性の確認というのはどのくらいのめどを考えているのか。安全性を担保するためにさらなる工事をする場合の財源は市場会計からなのか、一般会計からなのか。

 小池知事 安全性の確認については、そもそも私が(移転を)立ち止まったいきさつから話します。地下水の汚染のモニタリングは11月に採水して、1月半ばに結果が出て、2月には行政手続きということだった。それを待たずにオリンピック道路の建設を優先させていたがために、11月7日の開場を(私が)先送りしたというのがあります。

 その間に(問題が)出るわ出るわ、でありまして、山積している。これは一つ一つ、安全性を確認していく。(安全とは)建築の安全、水質の安全、全体としての食の安全であったりです。安全をないがしろにした市場というのはあり得ないと思っています。

 たとえばヒ素は自然由来もあるが、程度の問題もある。ここは冷静に見ていかなければならない。ここを分かりやすく説明する場面も出てくるかと思います。いずれにしても、安全性の確認というのは一つ一つの分野が対象だけど、それを総合的に判断することになると思っています。今は精力的にPTや専門家会議、モニタリングの結果を待っている状況と思っています。それによって専門的、客観的な判断をいただくことが必要だと思っています。

 そうしたことが「なんでそうなったか」は、行政としての問題と思っています。この間、市場関係者のみなさんは、「じゃあ、いったいどうなるんだ」と……いろいろと経営状態が厳しいところを豊洲に懸けていた企業の方もいるので、一日も早く結論を出さねばならない。(都の)市場担当の人数が足りないということだったので、不安にも応えられる態勢を作り、しっかりと都としてお世話させていただきたいと思います。

 −−築地から豊洲への移転の延期をいつまで継続するのか、もしくは移転そのものを見直すこともあるかもしれないが、こういったことを判断する時期は。これまでは地下水モニタリングの結果がまとまる来年1月以降と話していたが、その後の状況変化もあった。

 小池知事 先ほど、同じ質問があったので繰り返しませんが、いくつかの分析結果、調査結果、知見のご披露を待たなければなりません。それらを総合的に判断して時期を決めたいと思っています。

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